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気軽
「気軽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気軽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
な、まさか厳格と云う洒落《しゃれ》でもあるまい。」
彼等は二人とも笑いながら、
気軽にこの家の前を通って行った。そのあとには唯《ただ》凍《い》て切った道に彼等の....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
って来るような心もちもした。私はそれらの不安な感じを払い除けたい一心から、わざと
気軽らしい態度を装《よそお》って、うすぼんやりしたランプの向うに近々と相手を招じ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
え申し上げますと、若殿様は御満足そうに、はたはたと扇を御鳴らしになりながら、例の
気軽な御調子で、
「それは重畳《ちょうじょう》じゃ。何、予が頼みと申しても、格別....
「影」より 著者:芥川竜之介
御加減を見て参りましょうか。」
「好いわ。すぐにはいるから。」
房子はようやく
気軽そうに、壁側《かべぎわ》の籐椅子《とういす》から身を起した。
「また今夜も御....
「彼」より 著者:芥川竜之介
」
「ああ、じゃ失敬。」
彼はちょっと頷《うなず》いた後《のち》、わざとらしく
気軽につけ加えた。
「何か本を貸してくれないか? 今度君が来る時で善《い》いから....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
は、見慣ない樹木が枝を張った上に、刺繍《ぬいとり》の模様にありそうな鳥が、何羽も
気軽そうに囀《さえず》っている、――そんな景色を眺めながら、お蓮は懐しい金の側に....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
御苦労さま」と云った。妻の母もやはり同じことを云った。それは予期していたよりも、
気軽い調子を帯びたものだった。自分は幾分かほっとした気になり、彼等の枕もとに腰を....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
右衛門殿をよんで来ましょう。」とか何とか云うと、早速隔ての襖《ふすま》をあけて、
気軽く下の間へ出向いて行った。そうして、ほどなく、見た所から無骨《ぶこつ》らしい....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
うに、早速長火鉢の前から立ち上った。そうして襖《ふすま》一つ向うの座敷へ、わざと
気軽そうにはいって行った。
そこは突き当りの硝子障子《ガラスしょうじ》の外《そ....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
すれ違って行った。
「じゃおやすみなさい。」
「おやすみなさいまし。」
僕等は
気軽にO君に別れ、松風の音の中を歩いて行った。その又松風の音の中には虫の声もかす....
「早春」より 著者:芥川竜之介
い》の標本室《ひょうほんしつ》へ引返した。が、三重子はどこにも見えない。彼は何か
気軽になり、目の前の大蜥蜴《おおとかげ》に「失敬」をした。大蜥蜴は明治何年か以来....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うまや》には馬も五六匹いる。」
相手は飽くまでも滑《なめらか》な舌を弄しながら
気軽く楡《にれ》の根がたを立ち上った。若者はやはり黙念《もくねん》と、煮え切らな....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
、これは可愛い子だ。泣くな。泣くな。今日《きょう》からおれが養ってやるわ。」と、
気軽そうにあやし始めるのです。――この時の事は後《のち》になっても、和尚贔屓《お....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
所《ねどころ》もお前には不自由はさせぬ。では一しょに来て見るが好《よ》い。」と、
気軽に案内をして下さいました。
しばらくの後《のち》わたしたちは、浪ばかり騒が....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
東京へ引き上げようか?」
「うん、引き上げるのも悪くはないな。」
それからMは
気軽そうにティッペラリイの口笛を吹きはじめた。
(大正十四年八月七日)....