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気運
「気運〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気運の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
母親はとられた。兄の文吉は月たらずゆえきつい難産であつたけれど、その時ばかりは天
気運が良くて……。 聴いて順平は何とも感じなかった。そんな年でもなく、寝床には....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は既に印刷術が発明されており、コロンブスは既にアメリカを発見していた。復興期の新
気運は力強くみなぎり始めていたのである。しかもまだ教会改革に対する反動が思想の自....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
て好きでなかったはずだよ」と云った。 養父の宗十郎はこの頃|擡頭した古典復活の
気運に唆られて、再び荻江節の師匠に戻りたがり、四十年振りだという述懐を前触れにし....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
拓いていった。 かれにも油の乗る時機はあった。そうはいうものの、久しからずして
気運は一転し、またたく間に危機が襲いかかった。危機はもとより外から来た。しかしか....
「戯曲復興の兆」より 著者:岸田国士
ど人目にたゝないけれども、この一、二年来、決して不振とは言い切れない、ある新しい
気運をはらみ、私などの眼からみると、これまでにない活発な動きを示しだしているので....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
かであった万葉復興の時勢が、ここに来て向きを換えるのではないか。赤彦の死は、次の
気運の促しになるのではあるまいか。いや寧、それの暗示の、寂かな姿を示したものと見....
「荘子」より 著者:岡本かの子
魏、斉、楚、の合従は破れはじめ、これに代って各国別々に秦に従属しようとする連衡の
気運が盛になって来た。従って人も変りつつあった。六国の相印を一人の身に帯び車駕の....
「瘤」より 著者:犬田卯
までの鉄道の電化を運動していたのは一昨年からのことで、それがようやく実現しそうな
気運になっていたのである。 「陳情づらと見ると笑った。 「でも、あの顔で陳情され....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
哲学、論理学、心理学など、先覚者のはじめて注意するところとなって、思想界に清新の
気運を喚起してきたのである。 明治初年の思想家で、哲学およびその他精神科学に関....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
し、横山、下村、菱田などいう当時の新進気鋭の士の協力を獲て、明治中葉の画壇に一新
気運を喚起した後、明治三十四年(一九〇一)の末に至り、鬱勃の元気に駆られ、孤剣一....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の菊畑、「為朝」の八丈島、「梅川忠兵衛」の封印切から新口村などで、子供芝居流行の
気運に乗じたためか、この興行もまた相当の成績を収めた。 そのなかでも最も好評を....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
才|俊髦一時に崛起して雄を競うていた。二葉亭は『浮雲』以後全く韜晦してこの文壇の
気運を白眼冷視し、一時|莫逆を結んだ逍遥とも音信を絶していたが、丁度その頃より少....
「西航日録」より 著者:井上円了
ごし、はじめて役にもたたぬ読書の愚かさを知った。わが国を後進より救い学問・文化の
気運をさかんにしようと願い、ふたたび西方への航路万里の途についたのであった。) ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
いことのようであるが、実はこれが根本的に大切な点なのである。 当時は古典復興の
気運がしきりに動いていた時であった。これは院政以来の上層部の大きな欲求で、保元平....
「放浪」より 著者:織田作之助
母親はとられた。兄の文吉は月たらずゆえきつい難産であったけれど、その時ばかりは天
気運が良くて……。 聴いて順平は何とも感じなかった。そんな年でもなく、寝床には....