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気風
「気風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
れら個々の問題に止まらないのである。今日我々の父兄は、だいたいにおいて一般学生の
気風が着実になったといって喜んでいる。しかもその着実とはたんに今日の学生のすべて....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
した処は、きりりとして、しかも優しく、媚かず温柔して、河野一族第一の品。 嗜も
気風もこれであるから、院長の夫人よりも、大店向の御新姐らしい。はたそれ途中一土手....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
れたという敵愾心が、江戸ッ子の考えに瞑々の中にあったので、地方人を敵視するような
気風もあったようだ。 散髪になり立てなども面白かった。若い者は珍らしい一方で、....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
にこそおわすれ、この年老いた気の弱りに、毎度御意見は申すなれども、姫神、任侠の御
気風ましまし、ともあれ、先んじて、お袖に縋ったものの願い事を、お聞届けの模様があ....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
の行事となったのも、つまりは男子の節句という、勇ましいというよりもむしろ荒々しい
気風にふさわしい遊戯であるからではなかろうか。既に近松門左衛門の『女殺油地獄』の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
家に、学者や文学者が集ったので、ファラデーはその名誉秘書になった。しかし、自分の
気風に向かない仕事だというので、翌年辞した。 デビーはファラデーの書いたものの....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
というばかり、逡巡の上に、なおもじもじ。 「一体何じゃ、内へござる他の方とはちと
気風が違っていなさるから、その辺が何となく御身分のある方とはお交際がなさりにくい....
「妖怪学」より 著者:井上円了
るなり。馬の例も、これに準じて知るべし。およそ獣類は無心なるも、多少、人の容貌、
気風を見る力ありて、これによりてその挙動を変ずるは、その例はなはだ多し。ゆえに、....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
日、不成就日等のことを示したるごとき、あるいはその生まれたる年によって、その人の
気風を卜することがあります。たとえば、辰年に生まれたるものは剛邁の気性を有し、寅....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ういう風に人を喰っていた。 浅草以来の椿岳の傍若無人な畸行はこういう人を喰った
気風から出ているのだ。明治四、五年頃、ピヤノやヴァイオリンが初めて横浜へ入荷した....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
だこういう垢抜けした通人的気品を重んずる風が残っていた。 簾藤へ転じてからこの
気風が全で変ってしまった。服装も書生風よりはむしろ破落戸――というと語弊があるが....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
同情をブツクサいっていた。 それでも当時の毎日新聞社にはマダ嚶鳴社以来の沼間の
気風が残っていたから、当時の国士的記者|気質から月給なぞは問題としないで天下の木....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ぜざるの弊あるを憂え、学術に従事するものは、わが学生の小成に安んじて耐忍、進取の
気風なきを憂え、政治社会に立つものは、わが人民の議論つねに軽躁に走りて遠大の見識....
「西航日録」より 著者:井上円了
同じく緩慢なり。余がシャンハイに上陸するごとに、楊子江の緩慢なるを見て、シナ人の
気風のよくこれに似たるところあるを想起せざるはなし。ゆえに、シナは大濁国なるとと....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
売店でついふらふらと仕込みづえを買った。当時の青年たちを支配していた壮士気取りの
気風は、やはり私にもあったわけだ。値段は大枚二円。それから桃山から京都へ出て、四....