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水たまり
「水たまり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水たまりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
はつてん》の鏡を恐れました。雨上《あまあが》りの空を映している往来《おうらい》の
水たまりを恐れました。往来の若葉を映している飾窓《かざりまど》の硝子《ガラス》を....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
った。けれども本所の町々はたとい自然には乏しかったにもせよ、花をつけた屋根の草や
水たまりに映った春の雲に何かいじらしい美しさを示した。彼はそれ等の美しさの為にい....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
んすいおけ》の上に乾《ほ》し忘れたままの爪革《つまかわ》だった。それから、往来の
水たまりだった。それから、――あとは何だったにせよ、どこにも犬の影は見なかった。....
「或る女」より 著者:有島武郎
た病室の中はしんとなってしまった。なんともいえず可憐《かれん》な澄んだ音を立てて
水たまりに落ちる雨《あま》だれの音はなお絶え間なく聞こえ続けていた。葉子は泣くに....
「転機」より 著者:伊藤野枝
倒しになっていたりして見える。それが歩いてゆくにつれて、彼方にも此方にも、蘆間の
水たまりや小高く盛り上げた土の上に、二つ三つと残っている。弔う人もない墓としか思....
「骸骨館」より 著者:海野十三
で、これは骸骨館係へわたされた。しかし骸骨館の中は意外にも蚊がいなかった。附近に
水たまりが全然ないせいであろう。 ようやく日が暮れた。が、西の空に三日月が淡い....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
るのですか」 「ほんとうの海ではないよ。月には水がない。だから海どころか、小川も
水たまりもない」 「じゃあ、いよいよへんですね、『笑いの海』だなんて……」 「そ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
て、彼はハラハラと涙をこぼした。それは地面の上に、コップの水を撒いたように大きい
水たまりを作った。 大隅もさすがにこのグロテスクな巨人と対いあっているのに勇気....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ているとき、彼女のうしろを一台の自動車が走りぬけた。そして、そのすこし先で、車は
水たまりにとびこんで、ひどい音をたてて水をはねかせた。 「まあ、しつれいね」 ....
「あるまりの一生」より 著者:小川未明
た。まれに雨の降る日だけは、楽々とされたものの、そのかわり、すこし雨が晴れると、
水たまりの中へ投げ込まれたり、また、体じゅうを泥で汚されてしまうのでした。雨の日....
「幾年もたった後」より 著者:小川未明
いました。その水の面にも、日の光は美しく照らして輝いていました。 子供は、その
水たまりをのぞき込むように、その前にくると歩みを止めてたたずみました。 「坊や、....
「水の女」より 著者:折口信夫
にはいない。ときどきは「生立」に疑いを向けて、「水沼間」の字面の語感にたよって、
水たまり・淵などと感じるくらいにとどまったのは、無理もないことである。実は、詞章....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、ただよっている。 新子は、ぼんやり二階の居間から、外を眺めている。 路次の
水たまり、黒い小猫がぴょんぴょんと水溜をさけて、隣の生垣の下をくぐった。茶色の雨....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
ぶ医者 やぶ医者のフォスタアさんが、 グロオスタアへいって、 にわか雨にあって、
水たまりに立ち往生して、 おへその上まで水びたり。 それから二度とはようゆかぬ。....
「人馬」より 著者:楠山正雄
ながめますと、そこに深い田が出来ていて、水がいっぱいあふれていました。「あの深い
水たまりの中に、自分たちをつき落として殺すつもりではないか。」と気味悪く思いなが....