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水になる
「水になる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水になるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「知と疑い」より 著者:寺田寅彦
にならぬ事を知る人が少ない。 ある老人に液体空気の事を語る。老人いわく「空気が
水になるのは何も珍しい事はない。夏コップに井水を盛れば器外に点滴のつくのはすなわ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
く井を出た水も、日の熱心にほだされて、段々冷たくなくなる。生温くなる。所謂日なた
水になる。正午の頃は最早湯だ。非常に暑い日は、甕の水もうめ水が欲しい程に沸く。
....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
の海中へ重を着けられて沈められ、綱の長さでコンブの力で押し流される。軈て船渠が満
水になると、渠門は開かれて天祥丸は小蒸汽で曳き出される。浮力の加減で船底にハリツ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
だら、誰も鐘を鳴らすものがない。一度でも忘れると、掌をめぐらさず、田地田畠、陸は
水になる、沼になる、淵になる。幾万、何千の人の生命――それを思うと死ぬるも死切れ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
で、いつでもじくじくして、心持が悪いっちゃあない。雪どけの時分になると、庭が一杯
水になるわ。それから春から夏へかけては李の樹が、毛虫で一杯。 それに宅中陰気で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
柱をかつぎながら、うろついて行くと、楊柳の多いところへ来て、道がハッタと途切れて
水になる。
大抵の場合は、それを苦もなく飛び越えて、向う岸に移るが、これは足場....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だけのお世辞を言わずにはおられませんでした。 「おとむらいではございません、村が
水になると言うて、皆が心配してなげいておりやすがな、遠からず、この村が水にされて....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
これに乗って段々と行くと、少し先きは砂利であるのが、舟の行くに従って堰を切って
水になる工合が甚だ奇であった。そのうち普通の川になってる所へ進んだ。そうして伏見....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
糖包のアンペラの底からハタキ出された身の素姓をあからさまにして、うすきたならしい
水になるしか仕方がなかった次第でしょう。そのうすよごれた水を、いさぎよくすてるな....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
紙はあるけど、お金がない。これを御存知ないのかね。インフレ時代といふものは川が洪
水になるみたいに、同じ情勢が激化するだけのモンキリ型のものぢやアないです。昨日ま....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
美神アロハの復活は、実にこの地を選んで、行われた。 ここは、又、雨がふると、洪
水になる。一つとして良いとこがない。そこが曲者なのだ。これが先ず銀座に現れたとい....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
朝日新聞』) 七十二 瓦斯の液化 水蒸気を冷せば
水になる事は日常目撃するところだが、すべての瓦斯体も適当の寒冷と圧力を加えれば皆....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
暑いさなか、ようやくお氷は頂戴したが、日本橋まで駕籠を飛ばすうちに丼の雪が溶けて
水になる。ずいぶん高価《たか》い水だが、生温《なまぬる》になった水でも、お氷が溶....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
う仙女とが巣付いている。他の水の形ではこの中の一人か二人しか見えないけれども、噴
水になるとこの四人の仙女が一度に現れるところが特色である。しかし、いくら噴水とい....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
とかと、彼も不思議に思うたが、考えると別に不思議でもない。多量の液体はいつでも洪
水になるのである。大阪市中は今彼の涙で浸っている。 これは悪いことをした。大阪....