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水の滴るよう
「水の滴るよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水の滴るようの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪夢」より 著者:夢野久作
ゃなかったかしら……あんまり綺麗過ぎる横顔であった。着物はよくわからなかったが、
水の滴るような束髪《そくはつ》に結《ゆ》って、真白に白粉《おしろい》をつけて、緑....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
装は南部の藍の子持縞の袷に黒の唐繻子の帯に、極微塵の小紋縮緬の三紋の羽織を着て、
水の滴るような鼈甲の櫛笄をさして居ります。年は四十の上を余程越して、末枯れては見....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
として忘れられません。そのもようが一パイに拡げて引っかぶせてあります。その上に、
水の滴るような高島田に結うたオモヨさんの死骸が、丸裸体にして仰向けに寝かしてあり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
をしながら、
「いかがです、今晩は収穫がございましたか」
と、次なる部屋の方へ、
水の滴るように穏かな声でといかけました。
「ははは」
と、隣からは軽く、笑うでも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の襖《ふすま》をあけて、スラリとそこへ立っているのは、今日は姥桜《うばざくら》に
水の滴るような丸髷姿《まるまげすがた》のお絹でありました。 七....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
さえ億劫で、我ながら随意にならぬ。 ちょうど、この折だったが、びしょびしょ、と
水の滴るような音がし出した。遠くで蚊の鳴くのかとも聞えるし、鼠が溢したかとも疑わ....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
彼はいいました。「僕はその一人を知っているが、彼女はもう三十五六歳にもなるのに、
水の滴るような容色をしている。それも、若い頃はさほど美人でもなかったが、年をとる....
「雪の透く袖」より 著者:鈴木鼓村
御座いますと、涙片手の哀訴に、私は直ちに起って、剃刀を持来って、立処に、その娘の
水の滴るような緑の黒髪を、根元から、ブツリ切ると、娘は忽ちその蒼白く美しい顔に、....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
浴せかけられたが、かれの姫はめずらしくない。左団次が前髪立の少年に扮して、しかも
水の滴るように美しいというのが観客の眼を奪ったらしい。少年の父も唸るような吐息を....