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水をさす
「水をさす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水をさすの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
と、でも、やっぱり、内証で言った。 胸から半分、障子の外へ、お組が、皆が、油へ
水をさすような澄ました細面の顔を出して、 (ええ、一人お見えになりましてすよ。)....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たい。」 そう言いながら、松雲は座を立った。ぐらぐら煮立った鉄瓶のふたを取って
水をさすことも、煎茶茶碗なぞをそこへ取り出すことも、寺で製した古茶を入れて慇懃に....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
の丁野十助さんが、花籠を抱えて、どっかへ出かけたんじゃありませんかね。たとえば、
水をさすためだとか、あるいは、どこかへ持っていって、飾るために」 「じゃあ、なぜ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
それからもう一杯やったら、それでおつもりにするよ、どうもいかんよ、おまえが途中で
水をさすもんだから。わしはな、通りがかりにモークロエ村で、一人の老爺に尋ねてみた....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
言い出しておいてそれを取消すのは、自分の立場はとにかくとして、留任運動そのものに
水をさすようなものであった。 「取消せまい。」 と、俊亮は念を押すように言った....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
のかしら。」 「まあ、そういう噂ですがね。」 こんなことを言うと、折角の縁談に
水をさすようにも聞えるので、いっそ黙っていようかと思ったが、知っていながら素知ら....
「鮪の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
屋で使っているものである。それで、すし屋の用いるように、大目ざるに一杯程度入れて
水をさす。なぜなら、粉茶は茶の残りを集めたいわば茶のくずであるから、埃などがまじ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
トニイがなんと考えようとも、フランシスにはフランシスの道がある。女王と伯爵の仲に
水をさす危機が周期的に訪れ、訪れるたびにその強度を増す、そうした危機の一つが、ま....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
足が留まる。
それから段々|縺れ合って来る。
初手は嬉しい中になる。それから傍が
水をさす。
浮れて遊ぶ隙もなく、いつか苦労が出来て来る。
なんの気なしでいるうち....
「三国志」より 著者:吉川英治
ところが、それを馬超が小耳にはさんで、楊柏に恨みをふくんだ。要らざることをいって
水をさすやつだ――というわけである。楊柏は彼に殺されるかもしれないと思って恐れだ....
「四つの都」より 著者:織田作之助
かれているような気持が致しますわ」 庄平「仏像って何ですか?」(と、節子の気持に
水をさすような質問を無意識にする) 庄造「……二人とも、掛けたらどうですか」 二....