水入らず[語句情報] » 水入らず

「水入らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水入らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、皿《さら》をこっちに運んだりした。三人は楽しく昼飯の卓についた。そして夕方まで水入らずにゆっくり暮らした。 その夜は妹たちが学校から来るはずになっていたので....
ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
さんという人はもう生きていなかった。阿母《おっか》さんと兄の徳さんとお玉さんと、水入らずの三人暮らしであった。 阿母さんの名は知らないが、年の頃は五十ぐらいで....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れて君の一家にも生活の苦しさが加えられて来た。君の父上と兄上と妹とが気をそろえて水入らずにせっせわかるようだ。君は故郷に帰っても、仕事の暇々には、心あてにしてい....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
一四 その跡に残ったのはお袋と吉弥と僕との三人であった。 「この方が水入らずでいい、わ」と、お袋は娘の顔を見た。 「青木は来たの?」吉弥はまた母の顔....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
さんの阿父さんという人はもう生きていなかった。阿母さんと兄の徳さんとお玉さんと、水入らずの三人暮らしであった。 阿母さんの名は知らないが、年の頃は五十ぐらいで....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
たか、そんな理屈《りくつ》はどうでもよかったのである。夜は更けていたが、親子三人水入らずの祝賀《しゅくが》の宴がそれから催《もよお》された。隆夫も、父親治明博士....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
と、そしてかねて烏啼が的矢に娶わせたいと思っている養女のお志万と、この三人だけの水入らずの夕餉だった。 お志万は丸ぽちゃの色白の娘で和服好み、襟元はかたくしめ....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
そっとへし曲って居ても構わ無えと思う様になるんだ。 それでもイフヒムとカチヤが水入らずになれ合って居た間は、己れだって口を出すがものは無え、黙って居たのよ。す....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
一杯、いきましょう」 「すこし廻りすぎたが、もう一杯頂戴するか」 あとは二人が水入らずで向い合った。 金博士は、そのとき顔を将軍に近づけていった。 「今誓約....
女客」より 著者:泉鏡花
て、知らない婦人が居ようより、阿母と私ばかりの方が、御馳走は届かないにした処で、水入らずで、気が置けなくって可いじゃありませんか。」 「だって、謹さん、私がこう....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
な……。』 然るべく床几に腰を降ろした主従三|人は、それからそれへと際限もなく水入らずの昔語りに耽りましたが、何にしろ現世から幽界へかけての長い歳月の間に、積....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
した。 結婚式は無事に済んだ。エドヴィナ伯爵と花嫁のガブリエルは自分たちの邸で水入らずの幸福な生活を営んだ。ところが、不思議なことには、何か秘密な悲しみが生命....
雪柳」より 著者:泉鏡花
……若いかみさんの飲まない顔が、何故か、耳元まで紅かったのです。 「これがほんの水入らず、にい。そういえば、お対手は、姪、尼でもや、酒だけは黒松の、それも生一本....
」より 著者:カフカフランツ
れているくせに、自分がひとりでうろつき廻りに出かけているあいだ、三人がいっしょに水入らずでいるということは我慢している。これではほとんど、Kはフリーダの第三の助....
判決」より 著者:カフカフランツ
こうやって上げたからだ。それでお前はあいつに引きよせられてしまったのだ。あの女と水入らずで楽しむために、お前はお母さんの思い出を傷つけ、友だちを裏切り、父親を身....