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水入れ
「水入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
このお祖父さんの弟で、少しは名のある国学者だったように聞いている。その形見の硯や
水入れが家にあった。そして僕が十五の時、幼年学校にはいるんで名古屋へ行った時、第....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を作り作物の多寡で勝劣を決せんと定め、郷人より一町ずつの田を借る。光勝自前の田に
水入れその経に向い祷《いの》るに苗茂る事|夥《おびただ》し。法蓮は田を作らず水も....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
は、ダブル・ベッド一つと、鏡付きの大きな箪笥一つと、机一つと、椅子二つと、陶器の
水入れや金だらいを載せた洗面台とで、ほとんど一ぱいになっている。そしてその一方の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
な顔をして言うと、かわいそうでならないように同情して、そばへ寄って硯《すずり》の
水入れの水を檀紙《だんし》にしませて、若紫が鼻の紅を拭く。 「平仲《へいちゅう》....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
られた。白紙を一帳綴じたお草紙、字が一字も書いてない真っ白な折手本、椎の実筆と、
水入れと、※の柏墨が用意され、春のある日、祖母に連れられ、女中と書生と俥夫が机を....
「学者アラムハラドの見た着物」より 著者:宮沢賢治
返事《へんじ》をしなければなりませんでした。 セララバアドは小さな革《かわ》の
水入れを肩《かた》からつるして首を垂《た》れてみんなの問《とい》やアラムハラドの....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
葉書さえ買う金なく本意ならず 御無沙汰をする俺の貧しさ 無くなったインクの瓶に
水入れて 使って居るよ少し淡いが 大漁を告げようとゴメはやって来た 人の心もやっ....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
の良さそうな一つの机(これには彼は見覚えがあった。)を据えて、その上に硯箱だの、
水入れだの、巻紙の類が行儀よく載せられてあった。床の間には、口の大きな花瓶の中に....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
自分の手に渡した品物のあったのに気が付いた。彼はそれを出してみて吃驚した。硝子の
水入れに付いてる様な水晶の栓で、打ち見たところ栓と云うより外に何の変哲もない代物....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
はっきりと今も思う。見れば、細工場の片隅には、戸板をおいてそれへ皿、瓶、酒盃、
水入れのような雑器に、安い値をつけて、清水詣での往来の者に傍ら売っているのである....