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水兵服
「水兵服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水兵服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
子供たちだった。まっ白なモスリンの着物を着て赤い大きなリボンを装った少女たちや、
水兵服で身軽に装った少年たちは葉子の周囲に花輪のように集まった。葉子がそういう人....
「火の鳥」より 著者:太宰治
議である。 学校からのかえりみち、ふらと停車場に立寄り、上野までの切符を買い、
水兵服のままで、汽車に乗った。東京は、さちよを待ちかまえていた。さちよを迎えいれ....
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
。」青扇は僕とならんでソファに腰をおろしてから、隣りの部屋へ声をかけたのである。
水兵服を着た小柄な女が、四畳半のほうから、ぴょこんと出て来た。丸顔の健康そうな頬....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
夫婦相性の事――は棄置かれぬ。 且つその顔色が、紋附の羽織で、※の厚い内君と、
水兵服の坊やを連れて、別に一人抱いて、鮨にしようか、汁粉にしようか、と歩行ってい....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
は偶然この下士を発見した。彼は煙突の中に垂れた一すじの鎖に縊死していた。が、彼の
水兵服は勿論、皮や肉も焼け落ちたために下っているのは骸骨だけだった。こう云う話は....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
やかな店を構えた焼き大福餅店があった。店の主人というのは、なんと十五、六になった
水兵服の少女だった。二人は一つのアセチレン灯で、商売をしているのだった。 僕は....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
かなでる。船尾に腰かけた若者はうつむいて一心にヴァイオリンをひいている。その前に
水兵服の十四五歳の男の子がわき見をしながらこれもヴァイオリンの弓を動かしている。....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て、草履をはいて小走りに送って来る。四五日前に除隊になった寺本の喜三さんも居る。
水兵服の丈高い男を誰かと思うたら、休暇で横須賀から帰って来た萩原の忠さんであった....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
生籬の間より衣の影ちらちら見えて、やがて出で来し二十七八の婦人、目を赤うして、
水兵服の七歳ばかりの男児の手を引きたるが、海軍士官と行きすりて、五六歩過ぎし時、....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
から外へでていってしまいました。さあ、早く手配をしてください」 太刀川青年は、
水兵服をきて、たくみにこの部屋からのがれたというのだ。なんという豪胆さ、なんとい....
「空襲警報」より 著者:海野十三
りの飯とを出してください。その顔の長い学生君は紙係、青いネクタイの方は布係、その
水兵服の娘さんは弁当飯係。すぐ集めにかかってください」 誰もいやな顔をしなかっ....
「少年・春」より 著者:竹久夢二
ておいでだった。 「母様はなぜそんなにチクチクばかりしてるの?」 「坊やには青い
水兵服と、嬢には紫のお被布を拵えてあげようと思ってさ」 「母様はチクチクが好きな....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
だもって四分滅裂。細身の繻子《しゅす》のズボンに真紅《まっか》な靴下、固い立襟に
水兵服、喉まで締め上げた万国博覧会時代の両前の上着。そうかと思うと、何を考えたか....
「雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
、何となく得意気に聞こえて面白い。 近在の人らしい両親に連れられた十歳くらいの
水兵服の女の子が車に酔うて何度ももどしたりして苦しそうであるが、苦しいともいわず....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
った。 美事な人工ミイラを想像していた人々の前に現われたのは、よにも可愛らしい
水兵服を着た男の子の人形であった。 公正は事の意外に面喰って、弁解の言葉もなく....