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「水分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
共に、寸刻といえども止《や》める事は出来ない。もし強《し》いて止めさせれば、丁度水分を失った植物か何かのように、先生の旺盛《おうせい》な活力も即座に萎微《いび》....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
て一人の人間が全身ずぶ濡れになって此の室に飛びこんで来たのです。そのために濡れた水分が室内に蒸発をはじめて急に湿度が高くなりました。蒸発作用の潜熱によって室内の....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
蘭そっくりだと云えよう。そこには木も草もなく、そこまで来るうちには、海の潮風にも水分が尽きてしまって、湿り気のない土の表面が灰色に風化していて、それが岩塩のよう....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
aceum”を甜めにきて緩和するというのだ。ヒラセウムとは、岩狸が尿所へする尿の水分が、蒸発した残りのねばねばした粘液で、カークはこのヒラセウムのある樹洞のまえ....
単独行」より 著者:加藤文太郎
ーを履いて小日向山に登ってみた。白馬連峰を見るのにいいところだ。帰りは雪が溶けて水分が多く、スキーがあまり辷らぬので嬉しかった。辷ると転ぶからだ。徒歩会の人は二....
」より 著者:海野十三
した上昇気流が、折からの高温に育まれた水蒸気を伴って奔騰し、やがて入道雲の多量の水分を持ち切れなくなったときに俄かにドッと崩れはじめると見るや、物凄い電光を発し....
海の使者」より 著者:泉鏡花
出た。 その内、一本根から断って、逆手に取ったが、くなくなした奴、胴中を巻いて水分かれをさして遣れ。 で、密と離れた処から突ッ込んで、横寄せに、そろりと寄せ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ろな植物が生い繁っているのを見ると、大きい木の葉や、美しい花の営養には、十分なる水分の供給が大切であるように思われた。池の中央にある大理石の花瓶のうちに、特にき....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
らく経つと、重さに半ば枕に埋んで、がっくりとした我が頭髪が、その※……ともつかぬ水分を受けるにや、じとりと濡れて、粘々とするように思われた。もう、手で払う元気が....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と眺めていたんだからね」と更に屍体の眼球を擦ってみて、結論を述べた。 「見給え、水分が少しもない。そして、恰度木を擦っているようじゃないか。大体屍体の粘膜と云え....
寡婦」より 著者:秋田滋
ると、黴くさい匂いや、降った雨水、びッしょり濡れた草、湿った地面からあがって来る水分がからだを包んでしまう。射手たちはこのひッきりなしに襲ってくる水攻めに絶えず....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
太い青竹でこしらえた花筒の表面に眼を近づけて丁寧に調べてみた。もう金屬ソジウムが水分を引いて発熱し、竹筒の青い色がすこし変ってきては居ないかと思ったのであるが、....
アッタレーア・プリンケプス」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
それでもまだ不足だと言うんですかね? まあこの私をご覧なさい。私はほんのわずかの水分しかちょうだいしちゃいませんがね、でもご覧のとおりつやつやと、みずみずしてお....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
詣る者は皆カタ一つと幾分の銭を添えて上げる。で三月あるいは百ヵ日経つとその死体の水分は塩に吸い取られてその死体は全くからからになってしまう。この塩は日本の塩と違....
生き烏賊白味噌漬け」より 著者:北大路魯山人
味噌ばかりでは甘味が足りないから、相当多量に砂糖を加えること。 ○白味噌の有する水分では足りないから、冷酒を加えて、糠味噌ぐらいのやわらかさに溶くこと。 ○魚類....