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水利
「水利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の、皆元気いっぱいだ。馬籠は森林と岩石との間であるばかりでなく、傾斜の多い地勢で
水利の便もすくなく、荒い笹刈りには蚋や藪蚊を防ぐための火繩を要し、それも恵那山の....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
つまり、専ら電力会社の方にあるわけである。――ところで、この会社の何よりの特権は
水利の特許であって、政府の低利資金を借りた上に事業施設上のこうした特恵条件があり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あるまい」
「附会すればいくらでも理窟はつくが、清洲なら清洲で済むのを、あそこは
水利が悪い、大水の時には、木曾川が逆流して五条川が溢《あふ》れる、といったような....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
字入りで、 「潮流ト河流トノ関係デ、北上ノ河口ガ土砂デ塞ガツタ、北上ノ無尽蔵ナ
水利ガ殆ンド無用ノ長物ニナツタ、石巻ノ衰ヘタ原因ハ如何《いか》ニモ明白デアル、水....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ながそう思うのは当然だ。 十日前に駅前の仲見世八十戸やいた時には、山上のために
水利がわるく、水圧がひくくて消火作業が思うにまかせなかったからだ、という。それに....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ものである。炭は会津より来るものが多く、伊豆紀州から来るものは品質が最上で、かつ
水利のある所から、日本橋、京橋、新橋等の地に専ら使用されるものと、昔からほとんど....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
なかった。 * 火事のあったのは乃田家の別館であった。山の手の
水利の悪いところだし広い庭の中でホースがとどいて水がでるまでにもずいぶん手間どっ....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
って釣れる。酒匂川は、私の友釣りを生んだ場所である。箱根から流れ出る早川の鮎は、
水利事業のために、滅亡したのと同じようになったのは悲しい。須雲川の山女魚は、いま....
「瘤」より 著者:犬田卯
鑑札でごまかしたが、家屋税付加などにいたってはそんなからくりも出来ない。農会費、
水利組合費、これまた前年度の倍もかかるようになってしまう。少々は喰われたって……....
「和算の社会的・芸術的特性について」より 著者:三上義夫
この礒村吉徳はもと浪人であって、二本松藩に抱えられ安達太郎山から二本松城に引いた
水利はこの人の施設にかかり、今も現に存在して、私もその現状を見たのである。礒村吉....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
ったろう。 あるいは検地の事業が始まる。鉱山を開発する。貨幣の鋳造が行われる。
水利等も起こさなければならぬ。財政のことも等閑にはならぬ。 かくして社会の状態....
「尾瀬沼の四季」より 著者:平野長蔵
ず、赤貧の山人苦心惨憺たるものがある。十四年には学生村の遊船は建造に着手すべし。
水利権問題にては訴願中紛擾もあり、群馬県土木課の冷淡苛酷、殆《ほとん》ど拾年間も....
「上野」より 著者:永井荷風
の風趣を傷ける最大の原因であった。上野の停車場及倉庫の如きは其の創設の当初に於て
水利の便ある秋葉ヶ原のあたりを卜して経営せられべきものであった。然し新都百般の経....
「三国志」より 著者:吉川英治
域で、城下の市街は、海のような太湖に臨んでいた。孫堅のいる長沙城(湖南省)はその
水利に恵まれて、文化も兵備も活発だった。 程普は、その日旅先から帰ってきた。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
費やすよりは、むしろ南方の呉国孫策の勢力こそ用うべきでありましょう。呉は、大江の
水利を擁し、地は六郡に、威は三|江にふるい、文化たかく産業は充実し、精兵数十万は....