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水垢
「水垢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水垢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かり鳥のできふできによって、いただく禄にも響き、家の系図にもかかわるんですから、
水垢離《みずごり》とってはだし参りをするほどの騒ぎです。 かくて、当日吉祥寺裏....
「わが町」より 著者:織田作之助
しおますねん」 しきりに洗いながら、言った。 なるほどそう言えば、その地蔵は
水垢で全身赤錆びて、眼鼻立ちなどそれと判別しかねるくらい擦り切れていて、胸のあた....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
とを目差して先ず牛込へ行き夫々探りを入て置て直又車で浅草へ引返しました、何うも汗
水垢に成て働きましたぜ、車代ばかり一円五十銭から使いました夫是の費用がザッと三円....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ように独言の、膝栗毛五編の上の読初め、霜月十日あまりの初夜。中空は冴切って、星が
水垢離取りそうな月明に、踏切の桟橋を渡る影高く、灯ちらちらと目の下に、遠近の樹立....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
出そうだけれども、別に仔細はない。……参詣の散った夜更には、人目を避けて、素膚に
水垢離を取るのが時々あるから、と思うとあるいはそれかも知れぬ。 今境内は人気勢....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
居から、よちよち、臀を横に振って、肥った色白な大円髷が、夢中で駈けて来て、一子の
水垢離を留めようとして、身を楯に逸るのを、仰向けに、ドンと蹴倒いて、 「汚れもの....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
ところを洗うと癒るとのことで、阿呆らしいことだけれど年中この石地蔵は濡れている。
水垢で赤く※びついていて、おまけに眼鼻立ははっきり判別出来ぬほどすり切れていて胸....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
、私たちには物も言わずにこんどは水掛地蔵の前へ来て、目鼻のすりへった地蔵の顔や、
水垢のために色のかわった胸のあたりに水を掛けたり、タワシでこすったりした。私は新....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
て、今や歩ませていたのであった。 古沼の方に燈火が見えた。病人達が古沼の水で、
水垢離を取っているのであろう。 どことも知れない藪の陰から、低くはあるが大勢の....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
層が押しひろがっているからである。古生層の岩から滴り落ちる水には、鮎の好む上等の
水垢が育つのである。 わが片品川の上流にも、広くはないが古生層がある。その上は....
「香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
野趣豊かな高い香気を持つゆえのものは、一つは地中の滋汁を吸って育ち、一つは川底の
水垢を採って生き、何れも大自然から直接栄養を得ているためではあるまいかと思う。 ....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
し広がった阿武隈古生層は、久慈川に美しき水の滴りを贈っているので、川底に落棲する
水垢がまことに純潔である。これを食っている鮎は、丸々とそして肉が締まって育って、....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
よう。 掛かった。釣り人は、まず足許に注意せねばならない。でないと、踏んだ石の
水垢に辷ってでんぐり返る。囮鮎も、掛かり鮎も、竿もめちゃくちゃだ。足の速力が、鮎....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
得失、糸の太さ細さ、錘の有る無し、囮鮎の強弱、流れの速さ、水の深さ、底石の大小、
水垢の乗り塩梅、水の純度、天候、時間、季節、上流中流下流、他の釣り人が既に釣った....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ではなく、かえってその不祥の兆に神経を悩まして、もの狂わしく、井戸端で火難消滅の
水垢離を取って、裸体のまま表通まで駆け出すこともあった、天理教信心の婆々の内の麁....