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「水平線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水平線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
合で、揺れるのかわからないが、揺れる事は、確かに揺れる。嘘だと思ったら、窓の外の水平線が、上ったり下ったりするのを、見るがいい。空が曇っているから、海は煮《にえ....
妙な話」より 著者:芥川竜之介
往来の透《す》いて見える上に、浪の動くのが浮き上っている。殊に窓へ雨がしぶくと、水平線さえかすかに煙って見える。――と云う所から察すると、千枝子はもうその時に、....
恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
ることにした。はじめはサムが艇長で、ぼくが見張番をやった。 見張番は双眼鏡で、水平線三百六十度をぐるっと見まわして、近づく船があるかと気をつけるのだ。そのほか....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
いか溜らなく厭な声だ。稀に散在して見える三つ四つの燈火がほとんど水にひッついて、水平線の上に浮いてるかのごとく、寂しい光を漏らしている。 何か人声が遠くに聞え....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
目がける。晴れては曇る雪時雨の間に、岩内の後ろにそびえる山々が、高いのから先に、水平線上に現われ出る。船歌をうたいつれながら、漁夫たちは見慣れた山々の頂をつなぎ....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
艦を従えながら、静かに鎮海湾へ向って行った。海はいつか夜になっていた。が、左舷の水平線の上には大きい鎌なりの月が一つ赤あかと空にかかっていた。二万|噸の××の中....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は、始めに来たときと同じように、目に見えぬ橈の力で矢のように大海に乗り出して遠く水平線の彼方に消え失せた。そこでハイムダルは神々の宮居に迎えられ、そうして輝くよ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
て、ここに、別々の行動をとることになった。 いつもであると、訣別に際し、各艦は水平線上に浮かびあって、甲板上に整列し、答舷礼を以て、お互の武運と無事とを祈るの....
恐竜島」より 著者:海野十三
い色の魚がおよぎまわっていた。 「よし、東海岸の入江につけよう」 もう、太陽が水平線のよこにぴょっこり顔を出したころだったので、波は金色に、銀色に、また赤や紫....
火星兵団」より 著者:海野十三
よ満月に近い明かるい月だった。 空は雲もなかった。いやなモロー彗星の光の尾が、水平線から斜にぼうっと明かるく空を染めているが、これさえなければ、今宵は静かな美....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
かぶって白麻の背広のふとった紳士とが、同じように双眼鏡を眼にあててはるか北の方の水平線を眺めている。そのうちに、リット少将は、双眼鏡から眼を放し、軽く笑って、 ....
空襲警報」より 著者:海野十三
寝泳に移って沖をふりかえっていた。すると今も夕日は朱盆のように大きく膨れた顔を、水平線の上に浸そうというところだった。それはいつに変らぬ平和な入日だった。旗男に....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ければ、又空間もない。無論真の理想的の一致というのは、両者の智能までも、全然同一水平線上にある場合であるが、実際問題とすれば、それは殆ど不可能に近い。魂と魂とが....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
見てまし 散策子は思わず海の方を屹と見た。波は平かである。青麦につづく紺青の、水平線上|雪一山。 富士の影が渚を打って、ひたひたと薄く被さる、藍色の西洋館の....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ば、その梢にかくれたのが、もみじを掛けた袈裟ならず、緋の法衣のごとく※と立った。水平線上は一脈|金色である。朱に溶けたその波を、火の鳥のように直線に飛んで、真面....