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「水心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 飛び込んでいくと、あたりはばからず七造がわめきたてました。 「魚心がありゃ水心だ。百両出すか、出さねえか。出さなきゃ三尺たけえ木の空へ、うぬらの首もいっし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を知っているから、いざというときに川へ飛び込んで助かりましたが、因幡守という人は水心《みずごころ》がなかったと見えて沈みました。ほかは女ばかりですから、妾のお早....
婦系図」より 著者:泉鏡花
十一二の時分から膚についたものだけは、人手には掛けさせないので、ここへは馴染で、水心があって、つい去年あたりまで、土用中は、遠慮なしにからからと汲み上げて、釣瓶....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
くれなければ、わたしの方でもあなたの云うことを肯きませんよ。そこが、それ、魚心に水心とか云うんじゃありませんか。」 「だから、また出直してくる。きょうは堪忍して....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
帰りに、周村でつれてきて、呉れてよこした男だ。 中津は陳を呼んで、魚心があれば水心だ。それ相当のむくいをしてやる。が、俺れと、俺れの兄弟を裏切るような行為をし....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
り者には吉原でよい妓が待っておるとよ。京弥! 程よく可愛がってつかわせよ。――流水心なく風また寒し。遙かに華街の灯りを望んでわが胸独り寥々……」 微吟しながら....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
花を手折って供え、夫婦すこしく恢復せし百日に当る朝、吉兵衛しょんぼりお墓に参って水心静かに手向け、竹の鉾にてみずから喉笛を突き通して相果てた。夫婦、猿の姿の見当....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
したと同然と見える。……おお、大蟹、今ほどはお助け嬉しい、難有かったぞ。 蟹五郎水心、魚心だ、その礼に及ぼうかい。また、だが、滝登りもするものが、何じゃとて、笠....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
が悪い、鯉が空気と住んでいるようなものだ、鯉は水と住まなくてはならない、即ち魚心水心というて心と心と相通じる事がなくてはやり切れない、魂はおなじ魂を呼ぶからだろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。それから次は、 「地主ニ代官ヲ先代ヨリ勤メタ故、役所ノ跡ガアイテイル故ニ、水心子天秀トイウ刀鍛冶ノ孫聟《まごむこ》ニ水心子秀世ト云ウ男ヲ呼ンデ、役所ノ跡ヘ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
あとですぐに言い添えたのだった。 「ただ、お前にもわかってるだろうが、魚心あれば水心と言ってね……。」 彼女は処女だった。人からいろいろ挑《いど》まれても、い....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
かな想いを結びあわせる糸ともなれば、恋の涙を真珠にかえる役目もします。魚心あれば水心とは申しませぬ。五日の後に、この笛は、きっとおてもとに返しましょう。まず、そ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
こは実の妹のことだ、いいようにしろって、まあ、命に別条は無え。然し、なあ、深雪、水心あれば、魚心ってんだ。魚心あれば、水心――まあ、何っちでもええやな。憎さが―....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ん性は、無理を強いた側のみにあって、無理を呑みこんだ側にはないのか。これは魚心と水心だ。罪があるなら、罪は五分五分のたたき分けでなければならないはずである。あま....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
所でこちとらも物を頼まれましたよ。 ファウスト それは魚心あれば水心だ。 メフィストフェレス なに。その女の亡くなった亭主の髑髏が、 パ....