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「水指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水指の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
つかえ》ないが、それ自身に存在するものと見る訳には参りません。ちょうどここにある水指《みずさし》のなかから白い色だけをとって、そうして物質を離れて白い色が存在す....
婦系図」より 著者:泉鏡花
先刻はまた、」と頭を下げた。 寝床はその、十畳の真中に敷いてあった。 枕許に水指と、硝子杯を伏せて盆がある。煙草盆を並べて、もう一つ、黒塗|金蒔絵の小さな棚....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いた、水が一杯飲みたいものだ」 「お待ちなさい、いま上げますから」 お銀様は、水指《みずさし》を取るべく起きて寝衣《ねまき》を締め直しました。 「まだお火があ....
旅愁」より 著者:横光利一
棚には由吉の趣味と見える陶器が幾つも置いてあった。一つはアフリカの器らしい厚手の水指と、支那の慶磁の白い湯呑、それに日本物では紫野の茶碗、その横に朝鮮の鶏龍の蓋....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お冷水《ひや》でもあがって、気をお鎮めなさいまし」 枕許《まくらもと》にあった水指《みずさし》から、湯呑に水をさしてお絹が竜之助の手に渡しました。顫《ふる》え....
」より 著者:森鴎外
い」と云って、婆あさんは勝手へ引込んだ。 石田は、裏側の詰の間に出る。ここには水指と漱茶碗と湯を取った金盥とバケツとが置いてある。これは初の日から極めてあるの....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
》の者が知らなかったのかどうか、割れなくていいというような意味から、金《かね》の水指《みずさし》を稽古《けいこ》用に出してくれたのが、数年のあとで名高い和蘭陀毛....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、それ焦げる、それ湯を、さあ湯だ、と指揮と働きを亭主が一所で、鉄瓶が零のあとで、水指が空になり、湯沸が俯向けになって、なお足らず。 大人、威丈高に伸び上って、....
民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
あったと云われます。そうして茶碗は多く南朝鮮の貧しい人々がつかう飯碗でした。あの水指や花瓶も、もとはあるいは塩壺とかあるいは種壺とかであったのです。 それ等の....