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水松
「水松〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水松の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
んだのですから。」
巡査は右手の棒をあげ、(この国の巡査は剣《けん》の代わりに
水松《いちい》の棒を持っているのです。)「おい、君」とその河童へ声をかけました。....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
る草原などは、兵卒が守りおりたり。英国やドイツには、寺院の古|※《かしわ》、老|
水松《いちのき》をことごとく謄記して保護を励行しおるに、わが邦には伐木の励行とは....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、碧色の釉瓦で縁取りしている所は、いわゆる矢筈敷と云うのであろう。そして、本館は
水松の刈込垣で繞らされ、壁廓の四周には、様々の動物の形や頭文字を籬状に刈り込んだ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
《ほとり》の濶葉樹《かつようじゅ》つづきの森林に、彼らはふと、黒々と見える常緑の
水松《おんこ》を発見した。くっきりと聳《そび》え、枝を張り、膨大な幹は永くつづい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
うなふうに木が植わっていた。まっすぐな道、黄楊樹、柏《かしわ》、柊《ひいらぎ》、
水松《いちい》の古木の下の古墳、高い雑草。夕方などはいかにも物寂しく、きわめてわ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
離れ、寂しい片すみの、古い壁の傍《そば》、旋花《ひるがお》のからんだ一本の大きな
水松《いちい》の下、茅草《かやくさ》や苔《こけ》のはえている中に、一基の石がある....
「金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
った。アメリカの古物好きの眼は隈なく照っている日の光をさえぎって夜のように見える
水松の樹の大きな、そして底知れない暗い繁茂や屋根附墓地の荒れた屋根の上にためらっ....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
広い荒原を通っていて、一方には荒野原、他方には巨木の林立した、公園を取り囲んだ、
水松の生籬のあるところ、――そこには苔むした石でたたまれ、両側には紋章のついた柱....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
もセキショウの一品か他かにほかならない。 海藻ミルの食べ方 海藻のミルは普通に
水松(『本草綱目』水草類)と書いてあるが、果たしてそれがあたっているのかどうかは....
「種山ヶ原」より 著者:宮沢賢治
。」 町はずれの町長のうちでは、まだ門火《かどび》を燃していませんでした。その
水松樹《いちい》の垣《かき》に囲《かこ》まれた、暗《くら》い庭《にわ》さきにみん....
「熟語本位英和中辞典」より 著者:斎藤秀三郎
clear. 深しといえども明らか。 Yew(ユー)【名】(or -tree)
水松(いちい)、あららぎ。 Yg'dra-sil(イグドラスィルその根は地獄に達....
「あの世の入口」より 著者:知里真志保
であることが分った。 石狩川の支流|忠別川の上流にピプという山がある。この山は
水松が繁って昼も小暗いぶきみな所であるが、その繁みの中に深くて底の知れない石穴が....