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「水枕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水枕の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
こころ」より 著者:夏目漱石
た。 「頭を冷やすと好《い》い心持ですか」 「うん」 私は看護婦を相手に、父の水枕《みずまくら》を取り更《か》えて、それから新しい氷を入れた氷嚢《ひょうのう》....
一つの芽生」より 著者:宮本百合子
ていた緊張から解放された彼は、だんだん夜が更けかかるにつれて、頭痛を感じて来た。水枕を当てたり、氷嚢《ひょうのう》を当てたりしても、どうしても眠られないのを苦に....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
くだらないことだ。 私なども子供の時分は胃の事など考えなかった、自分の身体をば水枕か何かのように考えていたものだ。私の両親は食事しながら笑ったりお饒べりなどす....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を何かでくるんで、頸のところをすかすようにした方が、いくらかましかもしれません。水枕なんて夢物語の一つでしょうねえ。 美術刺繍の花弁の形、なかなかいいでしょう....
二つの途」より 著者:豊島与志雄
避しようとしてはいけない。僕の云った本当の意味は、今にお前にも分る。」そして彼は水枕の上に頭を仰向に落付けた。「額の氷を新らしくして来てくれない?」 「ええ。」....
変な男」より 著者:豊島与志雄
だけは冷してやった方がいいんですがね。」 「ではそう致しましょうか。」 辰代は水枕をしてやり、額を水手拭で冷してやった。今井は黙ってされるままになっていた。そ....
裸木」より 著者:豊島与志雄
瞥で彼を迎えた。そしてそのままの眼付で、子供の方を指し示した。 「え、病気か。」水枕の上の頭が、かっとした、底力のある粘っこい熱さだった。それと変に不調和に、不....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
》だ。熱が少し。九度五分ばかりあるきりで、それも、すぐにさがる筈だ。」 ただの水枕きりで、氷もあててなかった。頬が少し赤くほてってるだけで、元気ではっきりして....
日記」より 著者:宮本百合子
熱が二十八日に出て前後三四日ずつ四十度以上の熱が出て人事不省になったんだそうだ。水枕で先にふとんが濡れたので気にしてフトンフトンと早口に云って居たと云った。 八....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
衝突《ぶつか》って来るところを浅く水を潜って背後《うしろ》へ抜けた。神伝流で言う水枕、溺死人引揚げの奥の手だ。藁をも掴むというくらいだから真正面《まとも》に向っ....
童子」より 著者:室生犀星
しそうに息を切らすことだった。今夜はおそいから、明朝早く樋口さんを呼ぶことにし、水枕をしかせた。 朝になっても熱が下りず、樋口さんは、風邪だと言い、それほど心....