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水楼
「水楼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水楼の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家」より 著者:島崎藤村
すよ」と豊世は灯の点いた洋燈を持ちながら、皆なの後から階梯を上った。 二階は、
水楼の感じがすると、三吉が来る度に言うところで、隅田川が好く見えた。対岸の町々の....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
朝
宇治に着いたのが夜の九時。万碧楼菊屋に往って、川沿いの座敷に導かれた。近
水楼台先得月、と中井桜洲山人の額がかゝって居る。
此処は余にも縁浅からぬ座敷で....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。利己的なる近代人が人生の過悪に目を塞ぎ、その煩雑を厭い、美しき女を連れて湖畔の
水楼に住まんとするのは隠遁ではない。隠遁の願いはエゴイスチッシュな動機からは生ま....
「追慕」より 著者:宮本百合子
氛囲気を作っている此処では、人間の楽しい魂が、何時も花の咲く野山や、ホテルの白い
水楼で古風なワルツを踊っているような気がする。 濃碧の湖には笑を乗せて軽舸が浮....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
号ス、太倉ノ人、呉郡ニ移リ住ム、呉派ノ第一流トイハレシ周東村ニ学ビ、人物鳥獣、山
水楼観、旗輩車容ノ類、皆、秀雅鮮麗ト挙ゲラレ、世ニ趙伯駒ノ後身ナリト称セラル、特....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
んで船は中流に出でたり。水害の名残棒堤にしるく砂利に埋るゝ蘆もあわれなり。左側の
水楼に坐して此方を見る老人のあればきっと中風よとはよき見立てと竹村はやせば皆々笑....
「怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
のアメリカ旅行から帰ってきた川村を中心に、懇意な社交仲間だけの集会が、丸ノ内の山
水楼で催された。私的な集りだけに、簡単な挨拶があったきりで、あとはあちこちでの勝....
「耳と目」より 著者:寺田寅彦
かなたで花火が開けば、その音は光の傘が開いてから一秒後に聞こえる。たとえば薄暮の
水楼の欄干に男女が相対して話している。向こうの空に花火がぱっと開く。二人がそのほ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
くれたり、藤井も共に尽力《じんりょく》せんと誓いぬ。 その翌日直ちに土倉氏を銀
水楼《ぎんすいろう》に訪れけるに、氏はいまだ出阪《しゅっぱん》しおらざりき、妾の....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ろい。高声に喚きたてる口説を聞けば、これからニュウ・グランドへ繰込もうか箱根の環
水楼へ押し出そうかという下相談と思われる。酒場の通路に長々と寝そべっているのは、....
「エキゾチックな港街」より 著者:小野佐世男
したよ。しかしこの頃はこの通りでさァ――」 と、なんとなくしょげ切っている。山
水楼という旅館に旅装をといたのだが、一風呂あびて部屋に帰ると、アアッと驚いた。ス....
「夏の町」より 著者:永井荷風
夢不真。 旧恨《きゅうこん》 纏綿《てんめん》として夢《ゆめ》真ならず 今夜
水楼先得月。 今夜
水楼《すいろう》 先《ま》ず月を得て 清光偏照善愁人。 ....
「句合の月」より 著者:正岡子規
て」と頻《しきり》にうなって見たが、何だか出来そうにもないので、復《また》もとの
水楼へもどった。
水楼へはもどったが、まだ『水滸伝』が離れぬ。
水楼では宋江が酒....