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水泡に帰する
「水泡に帰する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水泡に帰するの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
ん。困るのは、あなたたちだけでしょう。何せ、クビになるんだから。何十年かの勤続も
水泡に帰するんだから。そうして、あなたの妻子が泣くんだから。ところが、こっちはも....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
帰りつくして、そうして金善がまだ寝ない時を見計らって来なければ、せっかくの計画が
水泡に帰する。けれどもその時間をうまく見計うのがむずかしい」
「なるほどこりゃむ....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
を目指すこととなった。官軍の追撃急であり、若しこの一戦に破れれば、熊本包囲の事も
水泡に帰するので薩軍は余軍のうち二千余をもって衝背軍に当り、八百余をして熊本城を....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、陥落するものときめられた。 いわゆる『粒々辛苦の末に開拓した経済的基礎』が、
水泡に帰するだろう。家も、安楽椅子も、飾つきの卓も、蓄音機も、骨董や、金庫も、す....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ほど長く続くとも、これまで大和言葉のために戦って来た国学諸先輩の骨折りがこのまま
水泡に帰するとは彼には考えられもしなかった。いつか先の方には再び国学の役に立つ時....
「純粋小説論」より 著者:横光利一
の立場を取ろうとするのか、足場がぐらぐらしていては、恐らくどのような文学主張も、
水泡に帰するにちがいあるまい。しかし、文学作品を一層高度のものたらしめ、文芸復興....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
手に帰れ、お前なんぞは特別に用のない人間だと人々に思わせたあたりは一歩あやまれば
水泡に帰する巧妙大胆な策略でしたろう。また、実演の席で須曾麻呂が甚八をよびすてに....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、石高にも別条は無いが――然し、現在の役を誰かに代えられたなら、それで、万事は、
水泡に帰する)
将曹は、自分達の計画した、斉彬の世嗣を、呪殺するということが、....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
は財閥独裁、警察国家を再来いたしまして、日本国民の民主的、平和的国家建設の努力は
水泡に帰するということを知らなければならぬのであります。これわれらが不信任案に賛....
「三国志」より 著者:吉川英治
た様がたにお告げして、それがふと内走の下女から外にでももれては、これまでの苦心も
水泡に帰するやも知れずと、実は深く秘している次第でございまする」 「えっ、何とい....
「三国志」より 著者:吉川英治
る態をなして、 「危うし危うし。もし孟達が孔明の戒めに柔順であったら、事すべてが
水泡に帰するであろう。まことや能者は坐して千里の先を観るという。わが玄機はすでに....