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水滴
「水滴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水滴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ま》の鬣《たてがみ》は、幾本かの鞭《むち》を下げたように雨によれて、その先きから
水滴が絶えず落ちていた。馬の背からは水蒸気が立昇った。戸を開けて中に這入《はい》....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
四二一キロメートルとなるであろう。同様にもし雰囲気が飽和水蒸気とその中に浮遊する
水滴とで成り立っているとしてもその気層の高さはかなり著しいものになるであろう。な....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
らだよ。表面から裏側に滲み込んだ水が、繊毛から滴り落ちて、その下が櫨木だと、水が
水滴になって跳ね飛んでしまう。そして、その反動で、繊毛が順次に位置を変えてゆくの....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
電流が振錘の氷結を溶したからです。で、その径路を説明すると……、鉄管の端に集った
水滴が感光膜の上に伝わり落ちますが、ツルツルしたセルロイド面からは滑り落ちて、凹....
「わが町」より 著者:織田作之助
い、そして狭い路地をすれすれにひいてはいると、水道場に鈍い裸電燈がともっていて、
水滴がポトリポトリ、それがにわかに夜更めいて、間もなく夜店だしがいつものように背....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
二本のレールを伝って、きし/\軋りながら移動した。 窮屈な坑道の荒い岩の肌から
水滴がしたゝり落ちている。市三は、刀で斬られるように頸すじを脅かされつゝ奥へ進ん....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
手には写真の印画紙らしいものを二三枚もっているが、いま水から上げたばかりと見えて
水滴がぽたぽた床のうえに落ちた。 (奥から出てきたこの人は、一体誰だろう?)と、....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
からも、小さい滝がじゃあじゃあと落ちてくる。仰げども見えないけれど、気球に溜った
水滴が集って、上からおちてくるのであろう。が、なにしろなにも見えない。ゴンドラの....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
るやかな曲線を描いて、眼界を区切っていた。組たてられた鉄橋のビームは、じっとりと
水滴に濡れていた。橋を越えた彼方には、同じ形をした倉庫の灰色の壁が無言のまま向き....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
だからむずかしいので。蟾蜍と改題してはどんなものでしょう。昔から蟾蜍の鋳物は古い
水滴などにもある。醜いものだが、雅はあるものだ。あれなら熔金の断れるおそれなどは....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
出来たのか二つも三つも裂けあがって、しかもその内側まで焼け爛れた裂目の中からは、
水滴が、ホタリホタリと落ちていた。水が廻ったのだ。係長はその
水滴に気がつくと、直....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
よく聞えるように作らなかったのであるか。このように孔が小さくては、爆発の刹那まで
水滴の落ちる音はしないかも知れない。それでは唐突に爆発することになる。これは気が....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
目の高木が第一の難所の上の足場に立った時、先ほどから怪しく密集していた霧は、遂に
水滴と変った。来たなと思う間もなく、豪雨は沛然として乾いた岩を黒く染めて行く。暗....
「四つの都」より 著者:織田作之助
見える。 五二 露地。 夜店出しが荷車をひいてはいって行く。 共同水道端の水道の
水滴がポトリ/\落ちて、残置灯の鈍い光に照らされているのが、にわかに夜の更けた感....
「わが町」より 著者:織田作之助
、そして、狭い路地をすれすれにひいてはいると、水道場に鈍い裸電灯がともっていて、
水滴の音がぽとりぽとり、それがにわかに夜更めいて、間もなく夜店だしが帰って来る時....