水烟[語句情報] » 水烟

「水烟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水烟の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
刃と共に空を泳いで走る事数歩、懸崖の突端より踏み外し、月光漫々たる海中に陥つて、水烟と共に消え失せぬ。 かくて虹汀は六美女を伴ひて呉家に到り、家人と共に彼の乳....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
堤防を築いている、葱のような浅青色の若葉をした川楊が、疎らに立っている、石に咽ぶ水烟が、パッと立って、梢から落ちる雨垂と一ツになって、川砂の上を転がっている、川....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
の曲路を笑いさざめきながら駆り去った。廻転のはやい車輪は、常磐木の黒ずんだ葉から水烟のように霜だの雪だのを蹴散らして行った。 「いつも脾弱な、一と吹きの風にも萎....
黒百合」より 著者:泉鏡花
を突いたので、船は波に乗って颯と退いた。同時に滝太郎の姿も水に沈んだが、たちまち水烟を立てて抜手を切ったのである。拓とともに助かったのは言うまでもない。 その....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ぎらぎらした油汗の固りが、蝶の鱗粉のように浮いて流れて行く。谷の日は静に暮れて、水烟の薄く罩めた河上の遠い連嶺の上に、奥大日の絶頂だけが入日に照されて、一きわ鮮....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
仙人谷の出合に近付くと、河の殆ど中央に蟠る巨岩に思うさま衝き当って、喊の声と共に水烟を揚げてうねり狂って行くが、すぐ右に曲って絶壁の間に身を潜めている。助七はこ....