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「水牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金将軍」より 著者:芥川竜之介
おのれ、もう三月《みつき》待てば、父の讐《かたき》をとってやるものを!」 声は水牛の吼《ほ》えるように薄暗い野原中に響き渡った。同時にまた一痕の残月も見る見る....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ついて不服はなかったけれど、一と言でもよいから、出動方面を教えてもらいたかった。水牛のように大きな図体をもった艦長の胸のなかを、一センチほど、截りひらいてみたか....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
どに、恍惚とさせたに相違なかったのである。 しかし、室内を一巡して、ようやく水牛の角と海豹の附いた北方海賊風の兜の前まで来ると、彼は側の壁面にある、不釣合な....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を売りに行って、薄暗いときに黄泥溝を通ると、なにしろそこは泥ぶかいので、わたしは水牛を雇って、それに乗って行くことにしました。そうして、溝の中ほどまで来かかると....
恐竜島」より 著者:海野十三
ットを出して……。 「ねえ、隊長。恐竜てえのは、猛獣の部類なのかね。それとも馬や水牛《すいぎゅう》なみかね」 監督ケンが、たずねた。 「君の知りたがっているの....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
てずーっと伸びて来ている。中央には階段があって、終っている。その階段の下に、顔が水牛になっている身体の大きな僧形の像が、片足をあげ、長い青竜刀を今横に払ったばか....
」より 著者:海野十三
……あの雷避けの恰好が可笑しいかネ」 それは背の高い杉の二本柱の天頂に、まるで水牛の角を真直にのばしたような、ひどく長くて不恰好な銅の針がニューッと天に向って....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
眼鏡の下に内職らしい網をすいている半白の父を呼ぶと、急いで眼鏡を外して、コツンと水牛の柄を畳んで、台に乗せて、それから向直って、丁寧に辞儀をして、 「ええ、浦安....
露肆」より 著者:泉鏡花
、店が違いやす、と澄まして講談本を、ト円心に翳していて、行交う人の風采を、時々、水牛縁の眼鏡の上からじろりと視めるのが、意味ありそうで、この連中には小母御に見え....
村芝居」より 著者:井上紅梅
るのだ。その次は皆と一緒に牛を飼うのだがこれは高等動物のせいかもしれない。黄牛も水牛も空をつかってわたしを馬鹿にする。わたしは側へゆくことが出来ないで遠くの方で....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
地方の小舟の名であったかもしれぬ。いずれにせよ、いまは時経て記憶に定かでなし)。水牛が、釣瓶縄を引くと、絞め殺されるような音を立てる。陽は落ちんとして、マハナデ....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
とか言ってしまえばそれ迄であるが、マラリアに罹かったとか、蕃人に狙撃されたとか、水牛に襲われたとかいうのではなくして、彼が毒蛇のために生命を奪われたということが....
余齢初旅」より 著者:上村松園
の上にあがって向こうをみおろすと、五、六軒の家屋が散在しているのが望まれ、童子や水牛がいたり、羊が放ち飼いにしてあったり、まことに静かな景色である。秋のことであ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
すこぶる広壮なるものあり。草木は台湾南部に似て、芭蕉、檳榔および荊竹多し。また、水牛を用うることも台湾に同じ。小舟は木身竹屋より成り、竹を編みて屋根をおおう。ま....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
ました。私はあんなに神経の尖った人を今まで見たことがありません。 またある時、水牛の浸っている堀割の傍を一緒に散歩したことがありました。水際には名も知れぬ雑草....