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「水玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
の方の女の人が待つふりをすると、釣瓶の方の女の人は水をあけた。盥の水が躍り出して水玉の虹がたつ。そこへも緑は影を映して、美しく洗われた花崗岩《かこうがん》の畳石....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
覆面の小がらなそれなる怪人は、岸へ泳ぎつくと、ぐっしょりぬれた着物からぽたぽたと水玉をおとしながら、まるで何かの物の化《け》につかれてでもいるかのごとく、ひょう....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
そうか、よし、よし」と、私は大機嫌であった。 ◯眼疾あるために、空を見れば一面に水玉があらわれ、また視力も落ちていて(おまけにややミストあり)今日ははっきり味方....
雛妓」より 著者:岡本かの子
び目は、水沫の如く奔騰して、そのみなかみの※々の音を忍ばせ、そこに大小三つほどの水玉模様が撥ねて、物憎さを感ぜしむるほど気の利いた図案である。 こうは見て来る....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、そのうちに霧とも言われない大粒の雨が、防水布の外套を、パチパチ弾いて、飛び散る水玉が、石にまで沁みこむようになった、手も凍えはじめて、下り道を選んでいる暇はな....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
のしょうこの液の玉が盛上っていた。課長は、机の引出から赤い吸取紙を出して、茶色の水玉の上に置いた。吸取紙は丸く濡れた。その吸取紙を課長が取ってみると、帳簿の上の....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
っぱいになった。それからもっと大きくなって、花べんのつけ根のところにとまっている水玉が、窓一ぱいにひろがった。 「まあ、きれいだこと。顕微鏡で見た世界の中へはい....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ある。今の氷屋のような荷です。それはズット昔からある水売りで、売子は白地の浴衣、水玉の藍模様かなんかで、十字の襷掛け、荷の軒には風鈴が吊ってあって、チリン/\の....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
んの僅かの間に、気球は密雲の中に包まれてしまった。見る見るうちに、服はびっしょり水玉をつけ、やがてそのうえを川のように流れおちる。二人の頭のうえからも、小さい滝....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
と水晶を溶いた水に揺れます。呆気に取られて、ああ、綺麗だ、綺麗だ、と思ううちに、水玉を投げて、紅の※を揚げると、どうでしょう、引いている川添の家ごとの軒より高く....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ら、こいつあ溶けるんだ。」 「まあ、ここに葉のまわりの針の尖に、一ツずつ、小さな水玉のような露を持っててね。」 「うむ、水が懸って、溜っているんだあな、雨上りの....
剣侠」より 著者:国枝史郎
浪之助はまだ立っていた。 これには源女も済まなく思ったか、 「どうぞ」と云うと水玉を散らした、友禅の坐蒲団を押しやった。 坐ったが心が充たされず、尚浪之助は....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いの衣裳を着合うものと見えて、鈴江もお菊と同じように、緑色がかった友禅の衣裳に、水玉を白く染め抜いた帯を、キリリと形よく締めていた。 そういう鈴江と並んでいる....
氷湖の公魚」より 著者:佐藤垢石
トルコ人ほど水をよく飲む国民はない。水玉を一献舌端に乗せて、ころがすと、その水はどこの井戸、どこの湖水から汲んだもの....
水菓子屋の要吉」より 著者:木内高音
でした。ろう細工のようなりんごや、青い葉の上にならべられた赤いいちごなどが、細い水玉をつけてきらきらと輝きます。要吉は、すがすがしい気持で、それらをながめながら....