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水瓜
「水瓜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水瓜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家」より 著者:島崎藤村
も気分が好く成ったと言って、台所の方へ行って働いた。夕飯過に、三吉は町から大きな
水瓜を買って戻って来た。思いの外お俊も元気なので、叔父は安心して、勉めてくれる娘....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は学農社からユーカリ、アカシヤ、カタルパ、神樹などの苗を仕入れて帰り、其他種々の
水瓜、甘蔗など標本的に試作した。好事となると実行せずに居れぬ性分で、ある時|菓樹....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
曲り角に来ると、焼岳がそっくり見える、朝早く起きたときには、活火山というよりも、
水瓜か何ぞの静物を観るように、冷たそうな水色の空に包まれて、ひっそりとしている、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を博したことがある。その時、ある大名の行列が乱暴をしたから、その先手《さきて》の
水瓜頭《すいかあたま》を十ばかり見つくろって殴《なぐ》り、吉原の方へ逃げ込んだこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た奴だ。そう思って見ると、兵助を後ろに、左右に遊弋《ゆうよく》している五ツ六ツの
水瓜頭《すいかあたま》も、みんなあいつの身内と見える。 ござったな――七兵衛は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、近所の使をして、二文三文ずつ貰った。うちの娘は三十ばかり気のいいやつで、時々|
水瓜《すいか》などを買ってくれた。女房はやかましくてよくこき使った。喜平は人足ゆ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぜきもの》、お供先を要撃する賊がある」 ときいた時は、米友の姿はもう見えません。
水瓜《すいか》を並べて置いて、そのなかをみつくろって撲ったつもりで米友は、少しば....
「月明」より 著者:豊島与志雄
見たことがなかった。 「そりゃ何とも云えねえぞうー。見た者でなきゃあ分んねえ。」
水瓜《すいか》を売りにくる婆さんがそう云った。だが、日出時の東の水平線は大抵雲に....
「北支点描」より 著者:豊島与志雄
する。鈴が鳴ればまた駆け出していって、新たな客を他の房に案内する。客は茶をすすり
水瓜の種をかじりながら、一時頃までも気長にぼんやりしている。この小房の一つで雑役....
「ピンカンウーリの阿媽」より 著者:豊島与志雄
に行った。他の階のことは知らないが、その最上階では、客は芸妓を相手に、茶をすすり
水瓜の種をかじりながら、ただ取り留めもない話で時間をつぶすのだった。 阿媽さん....
「三つの嘘」より 著者:豊島与志雄
使を遠ざけてただ一人、煖炉のそばの長椅子にねそべって黙り込んでいました。卓子の、
水瓜の種や、ハムや、肉饅頭などの皿にも、手をつけず、火桶の銅壺でぬるく温めた銀瓶....
「碑文」より 著者:豊島与志雄
、持って来てくれ。」 そして月の光の中を、歩きまわりました。 やがて徐和が、
水瓜の種と落花生とを盛った皿と、グラスを、銀の盆にのせて持って来ますと、曹新は彼....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
にかしら、心が苛立ってるとも浮立ってるとも見えるのでありました。 室の床には、
水瓜の種の皮や、向日葵の種の皮や、落花生の皮や、梅の実の種や、鶏の骨などが、あた....
「ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
た。幌がふるえた。ビヤホールに一人の女給が、表戸を拭いていた。車夫の家で、私達は
水瓜を食べた。 彼女の家に、別の家族が住んでいた。幼かった少女が、背をもたせて....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
単純に「汝ら相愛せよ」というキリストの教えをそのとおり実行したのにすぎなかった。
水瓜 春の終わりごろから私の体中にむくみが現われた。むくみが出るようになれば病....