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水白粉
「水白粉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水白粉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新世帯」より 著者:徳田秋声
人の影が見えぬと、そっと鏡の被いを取って、自分の姿を映して見た。髪を直して、顔へ
水白粉なぞ塗って、しばらくそこにうっとりしていた。そうして昨日のように思う婚礼当....
「だるまや百貨店」より 著者:宮本百合子
当に若い方は声も清らかやからええこと!……」 小皺がよってカサッとしたところに
水白粉をつけた顔を信江にむけ、 「むかしものやから、この頃の唄はちっともわからん....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
政治家の顔を思い出すと、伸子は、おばさまである夫人の敏捷で悧溌な凹み眼と、うすく
水白粉のはかれている顔や沈んだ色の紅をさした唇で、軽く、やや口早にげびない蓮葉さ....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
」 周平は顔を挙げて、針の手先から眼を離さないでいる彼女の方を眺めた。化粧水と
水白粉《みずおしろい》とだけを薄《うっ》すらと刷いた横顔が、神々しいほど淋しく見....
「地上」より 著者:島田清次郎
まるのね」お幸は時子に言った。 「そうですわね」時子はクリームを伸ばしたあとへ、
水白粉を顔へなすりこんでいた手を止めてお幸の方を向いた。 「お幸姐さん」と富江が....
「日記」より 著者:宮本百合子
、妙に顔があつくなるように感じた。彼女も同じ店で買物をして居たと見え、手に小さい
水白粉か何かの瓶を持って居る。 先に行ったAに追いつこうとし、屋台店の並んだ歩....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
駄を揃えてやったり、気をきかして先きへ先きへと走り廻った。お恵は日焼けのした首に
水白粉を塗っていた。塗ったあとが、そのままムラになって残っていた。 飯はお恵が....
「国境」より 著者:黒島伝治
輝は、一方の腕を頸にぶらさげたまま、起て橇に荷物を積んだ。香水、クリイム、ピン、
水白粉、油、ヘアネット、摺り硝子の扇形の壜、ヘチマ形の壜。提灯形の壜。いろいろさ....