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水筋
「水筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
宮裏で、暗いほどな茂りです。水はその陰から透通る霞のように流れて、幅十間ばかり、
水筋を軽くすらすらと引いて行きます。この水面に、もし、ふっくりとした浪が二ツ処立....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
は水底に支えまい。 蘆のまわりに、円く拡がり、大洋の潮を取って、穂先に滝津瀬、
水筋の高くなり行く川面から灌ぎ込むのが、一揉み揉んで、どうと落ちる……一方口のは....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
びた蔭は、どんよりと白い。木の葉も、ぱらぱらと散り浮いて、ぬらぬらと蓴菜の蔓が、
水筋を這い廻る――空は、と見ると、覆かかるほどの樹立はないが、峰が、三方から寄合....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
枝下、十三地蔵とは、間に水車の野川が横に流れて石橋の下へ落ちて、香都良川へ流込む
水筋を、一つ跨いだ処に、黄昏から、もう提灯を釣して、裾も濡れそうに、ぐしゃりと踞....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
かったが、喫驚したのは葭原雀で、パッタリ、鳴く音を留めて了った。 中洲の掘割の
水筋に、船は入って見えなくはなったが、その過ぎるところの蘆の穂が、次ぎから次ぎと....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
登縮をこの水で晒して、いつまでもそのめぐみ 若狭の関谷川原という所は、比治川の
水筋がありながら、ふだんは水がなくして大雨の時にばかり、一ぱいになって渡ることの....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
は稍黒ずんだ灰色で、それへ白く輝く数条の竪縞を織り出している。大雨の際に瀑の懸る
水筋の跡であろうと思った。ギボウシや矮小な木が其処此処の凹くなったり襞になったり....