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「水船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水船の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
だから気色が悪く、殊《こと》に亭主に死なれて喰い方にも困るから、菊坂下の豆腐屋の水船《みずぶね》の上へ捨児《すてご》にして、私は直《す》ぐ上総の東金へ往って料理....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
れませんから、窃《そっ》と柘榴口《ざくろぐち》を潜《くゞ》って逃げようと思うと、水船の脇で辷《すべ》って倒れました。 男「おい/\番頭さん見てやれ/\、長く湯....
ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
しにこんな挨拶をしながら、薬局生はうずたかい柚をかきわけて流し場へ出た。それから水船のそばへたくさんの小桶をならべて、真っ赤にゆでられた胸や手足を石鹸の白い泡に....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ち付き払っていたのだった。 君はこの物すごい無気味な衝動に駆り立てられながら、水船なりにも顛覆した船を裏返す努力に力を尽くした。残る四人の心も君と変わりはない....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
しにこんな挨拶をしながら、薬局生はうずたかい柚を掻きわけて流し場へ出た。それから水船のそばへたくさんの小桶をならべて、真赤に茹られた胸や手足を石鹸の白い泡に埋め....
わが町」より 著者:織田作之助
ので、喜んで行こうとすると、君枝はもじもじしながら、 「うちも一しょに行くわ。潜水船の喞筒押しに」 と、言った。 次郎は驚いた。喞筒押しは、浅い底の土木工事....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
ることが出来た。どの漁夫も本船のデッキを踏むと、それっきり気を失いかけた。一艘は水船になってしまったために、錨を投げ込んで、漁夫が別の川崎に移って、帰ってきた。....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
飛び散ってポチャンポチャンと海へ落ちた。そうしてその煙が消え失せた時には、半分|水船になった血まみれの小舟が、肉片のヘバリ付いた艫櫓を引きずったまま、のた打ちま....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
はいかない。その半身以上を海に没し、建物の中も海水で充満している。まるで難破した水船だ。 人々は、方船の屋根に取すがって、波を避けているに過ぎなく、雨露を凌ぐ....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
たって、よい飲料水がほしい」 というと、 「なに、よい飲料水。たやすいことだ。水船は、船長が船に帰るまえに、龍睡丸に横づけになっているだろう。電話で、すぐ命令....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
た。二人の潜水夫にとっては、かけ代えのない綱持ちなのだ。 次には呼吸の合った潜水船の船頭が必要だ。綱持ちの要求に応じて敏活に船をさばく両者の馴れが必要なのであ....
藤九郎の島」より 著者:久生十蘭
せん》の仲間だとわかるように、一人一人の袖から袖へ細引をとおしてひとつにまとめ、水船《みずぶね》にしたまま、荒天の海に船を流した。 西北の強風は三日の間|小休....
式部小路」より 著者:泉鏡花
も…………愛吉は、女房の藍微塵のを肩に掛けて、暗くなった戸外へ出たが、火の玉は、水船で消えもせず。湯の中で唄も謡わず。流で喧嘩もせず。ゆっくり洗って、置手拭、日....