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「水薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
ったのです。チャックは僕を小ぎれいなベッドの上へ寝かせました。それから何か透明な水薬《みずぐすり》を一杯飲ませました。僕はベッドの上に横たわったなり、チャックの....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
上って御覧なさいまし。」 枕もとに来ていた看護婦は器用にお律の唇《くちびる》へ水薬《みずぐすり》の硝子管《ガラスくだ》を当てがった。母は眼をつぶったなり、二吸....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
たり。同氏は薬罎《くすりびん》を手に死しいたるより、自殺の疑いを生ぜしが、罎中の水薬《すいやく》は分析《ぶんせき》の結果、アルコオル類と判明したるよし。」 (大正十四年一月)....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。素人らしいが、(と莞爾して、)口移しに薬を飲まして……」 酒井は猶予らわず、水薬を口に含んだのである。 がっくりと咽喉を通ると、気が遠くなりそうに、仰向け....
地球盗難」より 著者:海野十三
った。突然大きな声がした。 「座席について、横の壁にある抽出を明けろ。そこにある水薬を飲むと、頭痛が直る……」 たしかに人間の声だった。 誰? と、思って....
臨終まで」より 著者:梶井久
尿には成らず浮腫になるばかりだから、一日に三合より四合以上呑んではよくないから、水薬の中へ利尿剤を調合して置こうと言って、尿の検査を二回もしましたが、蛋白質は極....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
牙の箆、鹿の鞣し革、鵠毛の刷毛、鋭い鉄針、真鍮の輪、それと並べて大小の箱が、粉薬水薬を一杯に満たせ、整然として置かれてある。 「おいでなさりませ陶器師様」優しく....
」より 著者:島崎藤村
に倒れた。痩せ細った手で豊世を招いて、自分の口を指して見せる。やがて豊世が勧める水薬で乾き粘った口を霑して、 「是非一度叔父さんに御目に掛って置きたいと思いまし....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
足熱ですかな、足をあたためて頭をひやして安眠させるといいです、ああん、薬は散薬と水薬……ああん、すぐでよろしい」 かれはこういって先生から借りて来た鞄を取り上....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
れる」 とおげんは独りになってから言って見た。 翌朝、看護婦はおげんのために水薬の罎を部屋へ持って来てくれた。 「小山さん、今朝からお薬が変りましたよ」 ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いて、見ていると面白いようでした。幾つかを重ねて袋に入れて、患者の名を書きます。水薬の方は、傍らに三尺の棚があって、大小さまざまの薬瓶や壺などが置いてあり、その....
」より 著者:犬田卯
れかけた李だのを、うんとこ食べていた」と白髪の村医は笑った。 甘酸っぱいような水薬をつくって、その飲み方や、病児の扱い方などを細々と説明して、やがて医者は帰っ....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
れているということだった。 医者が帰ったあとで、道子は薬を貰いに行った。粉薬と水薬をくれたが、随分はやらぬ医者らしく、粉薬など粉がコチコチに乾いて、ベッタリと....
式部小路」より 著者:泉鏡花
家の隠居の溜飲にクミチンキを飲ますんだって、メートルグラスでためした上で、ぴたり水薬の瓶に封。薬剤師その責に任ず、と遣る人を、人殺の相談に、わけなし血判。自分の....
活人形」より 著者:泉鏡花
、糸よりもなお声細く、「ああ、これが現世の見納かなあ。得たりと医師は膝立直して、水薬を猪口に移し、「さあこれをお飲みなさい。と病人の口の端に持行けば、面を背けて....