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水調子
「水調子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水調子の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、浴衣に襟つき一枚何かで。――裙へ流れる水、あの小川も、梅水に居て、座敷の奥で、
水調子を聞く音がします。……牡丹はもう、枝ばかり、それも枯れていたんですが、降る....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ゆく。
寝しずまった巷には、この人恋しい夜にもかかわらず、粋な爪弾《つめび》き
水調子も、聞こえてこない……。
本郷は司馬道場の裏木戸を、ソッと排して、青い液....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ようにした。「でも殿様に似合うのは、そういう風じゃアありませんわね」 「河東節の
水調子 ※二人が結ぶ白露を、眼もとで拾うのべ紙の――などと喉をころがして、十寸蘭....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
のぎに、探し出した三味線の糸をなおして、薗八節か隆達か、こッそりと爪で気まぐれな
水調子を洩らしている。
水調子の三味の音が、フッと万吉と孫兵衛の殺気を消して、....
「脚」より 著者:吉川英治
行ったので、彦太は、はらはらした。そして、玄関の前までくると、奥の方で、三味線の
水調子が聞えたので、又意外に思った。 式台の下には、粋な女下駄や、日和や、駒下....
「春の雁」より 著者:吉川英治
来て、彼の傍へ、用ありそうに坐った。 「なあに、寝ちゃあいないよ。いい気持であの
水調子を聞き惚れていたのさ。……今|何刻だえ」 「もう八刻ごろでしょうか」 「よ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
像にもえがけなかった。 色街に近いのか、堀の雪見舟から洩れてくるのか、三味線の
水調子も、どこやらで聞えたが、彼の耳には、何の音でもなかった。 ただ真ッ白な夜....