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水辺
「水辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
いつぶやきをここに住む人間の耳に伝えつつあるのである。この水を利用して、いわゆる
水辺建築を企画するとしたら、おそらくアアサア・シマンズの歌ったように「水に浮ぶ睡....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
軒提灯に火を入れて、その限りない蝋燭の火影が水に流れて黄色くゆらめいているのも、
水辺の夜らしい秋の気分を見せていた。 「じゃあ、お大事に……。あしたまた……」 ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ものは、意固地になって詰め寄りさえしなければ、現実はいつか応じて来るものだ。私が
水辺に家を探し始めてから二ヶ月半かかっている。 二三度「ご免下さい」と云ったが....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
を求めるほど弱くはない」私はこのようなふうに考えた。そして急いで隠れ家に帰った。
水辺に蘆など生えていた。夜となれば燈火をかかげて、トマス・ア・ケンピスや、アウグ....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
んというものかわからない、エプロンのようなものを身につけたり、白い布を腰に巻いて
水辺でゴロゴロと寝たり、ダンスしたりしている図を、見かけるのであるが、今の日本の....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
顧みるのである。 しかしながら近頃たまたま奈良へ出かけてみると、あの新緑の下に
水辺にあるいは紅葉の側に、彼らを見るとそしてあのなまやさしい眼を見るとまた奈良へ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
暑い印象を与える処はないと思った。何しろ川がなく、池と水|溜りと井戸が奈良唯一の
水辺風景なのだから。 殊に猿沢池からかんかん照りの三条通りを春日へ登って行く午....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、速く歩くも、すべて自分の勝手で、そこはまことに便利でございます。 と見ると、
水辺の、とある巨大な巌の上には六十|前後と見ゆる、一人の老人が、佇んで私達の来る....
「水の女」より 著者:折口信夫
こうして出現した貴種の若子は、後にその女と婚することになったのが、古い形らしい。
水辺または水神に関係ある家々の旧事に、玉依媛の名を伝えるのは、皆この類である。祖....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
のではなく、山から下って来た熊か野馬のたぐいで、水を飲むか、魚を捕るかのために、
水辺または水中をさまよっていたのであろう。」 それを確かめる唯一の証拠品は、茂....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
邸へ忍び入って、小町が明日の歌を独吟するのを盗みきいてしまいました。 御題は「
水辺の草」というのですが、小町の作った歌は、 蒔かなくに何を種とて浮草の ....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
寄せた大波はそこで砕け、白い泡沫が雹のように飛び散るのでござります。娘はその浜の
水辺に立って、自分の影を見詰めておりましたが、影は長く砂に落ちているのでござりま....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
時他の適当な地に移る。所謂水草を逐うて移住するもので、あたかも蝦蟆すなわちククが
水辺に棲んで出没自在なるが如きものだ、ククの様なものだとの事から、蟆人すなわちク....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
大きな船へ乗って向岸へ渡りました。
尺程で、地の高低も違って居る。その上に
水辺ではあり日光の当りがよいものですから、この辺の柳はもはや青い芽を発して居たで....
「西航日録」より 著者:井上円了
原一色青如染、不是麦田渾牧田。 (汽笛の音も高らかに暁のもやを破る。山ははるかに
水辺も遠く、一望するも果てもない。平原は一色の青に染められている。これは麦畑では....