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「水道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
がつきました。 「しかしこの辺には川はないがね。」 「いえ、こちらへ上がったのは水道の鉄管を抜けてきたのです。それからちょっと消火栓《しょうかせん》をあけて……....
路上」より 著者:芥川竜之介
のまん中には、壺《つぼ》を埋《い》けたような穴が三つあって、そのまた穴の上には、水道栓が蛇口《じゃぐち》を三つ揃えていた。しかもその穴の一つには、坊主頭《ぼうず....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ながら、湯は込んでいたか、と聞いて、フイと出掛けた様子も、その縁談を聞いた耳を、水道の水で洗わんと欲する趣があった。 本来だと、朋友が先生の令嬢を娶りたいに就....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
るのに清潔だからと女中が案内をするから、この離座敷に近い洗面所に来ると、三カ所、水道口があるのにそのどれを捻っても水が出ない。さほどの寒さとは思えないが凍てたの....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
い天井で、電燈を捻ってフッと消すと……居合わす十二三人が、皆影法師。 仲の町も水道尻に近い、蔦屋という引手茶屋で。間も無く大引けの鉄棒が廻ろうという時分であっ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
が落ち、赤ちゃん一名圧死。 道路をつきぬけて破裂した敵弾は、径十センチばかりの水道鉄管をふきあげ、それが路上に電柱の如く突っ立ち、あたりは水にて池の如し、とい....
春昼」より 著者:泉鏡花
路のお天守に緋の袴で燈台の下に何やら書を繙く、それ露が滴るように婀娜なと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。人跡絶えた山中の温泉に、唯一人雪の膚を泳がせて、丈....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
、何処かと聞くと、市外五里の辺鄙な田舎である。我々は終に電車も電灯も瓦斯も電話も水道も無い、有らゆる文明から全く塗絶された僻遠の地に引込まねばならないかも知れな....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
うものは滅多に飲まれない、町では「ひやっこい/\」といって、水を売ったものです。水道の水は生温いというので、掘井戸の水を売ったので、荷の前には、白玉と三盆白砂糖....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
てない。辻俥の蹴込へ、ドンと積んで、山塞の中坂を乗下ろし、三崎|町の原を切って、水道橋から壱岐殿坂へ、ありゃありゃと、俥夫と矢声を合わせ、切通あたりになると、社....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ら見えるなんて、噂ばかりの日本橋のお話でも聞いて、ぐっと気をお引立てなさいなね。水道の水を召食ッていらっしゃれば、お色艶もそれ、お前さんのあの方に、ねえ旦那。」....
露肆」より 著者:泉鏡花
れた歯磨屋が、うンふンと鼻で笑う。声が一所で、同音に、もぐらもちが昇天しようと、水道の鉄管を躍り抜けそうな響きで、片側|一条、夜が鳴って、哄と云う。時ならぬに、....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
かの人魚たちのいきえない丘ちかくの所までも、およいでいきました。ついには、せまい水道のなかにまでくぐって、そのながい影を水の上に投げている大理石の露台の下までも....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
に温まった懐をおさえて、九州の青年の多くが、その青雲を志し成功を夢みて、奔流する水道を、白波たつ波頭を蹴散らし蹴散らし、いささかのセンチを目に浮べて、悲喜交々、....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
れる中を押し分けて登る。いかにも、人間の通った道らしくない。大雨の折りに流下する水道か、熊や羚羊どもの通う道だろう。喬木では、ツガ、モミ、シラベ、カツラ、サワグ....