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「水郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
処々に散見する白楊《ポプラア》の立樹は、いかに深くこの幽鬱《ゆううつ》な落葉樹が水郷の土と空気とに親しみを持っているかを語っている。そして最後に建築物に関しても....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
なる涼味を見いだすことに多年馴らされている。したがって、盛夏の市中生活も遠い山村水郷は勿論、近い郊外に住んでいる人々が想像するほどに苦しいものではないのである。....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
形が四つ、ひょこひょこ出てきて引っ込むところはいかにも現代ばなれがしていて、北の水郷の大人たちのお伽噺趣味をよくあらわしていて面白いと思った。諾威から来てどこと....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
う処は古代その儘の家が残っているので、伊太利のヴェネチアを連想せしめる。また同じ水郷と云っても、日本のはも少し土地の余裕があるのに、此処のは水から直ぐ家になって....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
ならない。 七時出立、徳島へ向う(先夜の苦しさを考え味わいつつ)。 このあたりは水郷である、吉野川の支流がゆるやかに流れ、蘆荻が見わたすかぎり風に靡いている、水....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
、木村君はこう私に述懐したことがあった。 木村君としてみれば、千代田城の遠霞、水郷である本所あたりの下町情調は、臍の緒切ってからの環境であろう。ちょうど我々が....
寒鮒」より 著者:佐藤垢石
された場所で人気のあるのが、渡良瀬川の新古河三国橋上下、新利根川下流幸田橋上下、水郷上の島、狢塚、戸指川などである。ここらは、鮒の形がなかなかいい。時々尺鮒が出....
小伜の釣り」より 著者:佐藤垢石
釣りのお供をさせた。相模川と多摩川の鮒釣りへも、小田急沿岸の野川のはや釣りへも、水郷地方の鮒釣りへも連れて行ってやった。小伜が、都塵を離れ、広濶たる水上に清い大....
巣離れの鮒」より 著者:佐藤垢石
釣り場は何といっても関東一の鮒釣り場と称されている茨城県稲敷郡と鹿島郡に跨がる水郷地方である。千葉県の神崎向こう地が最も便利で、そこには脇川、ムジナ塚、新利根....
細流の興趣」より 著者:佐藤垢石
ないのである。雨が降った翌日は懸命に釣り場へ駆けつけるべきだ。温和の気候が続けば水郷地方の乗っ込みは四月一杯続くであろう。佐原向こうにも神崎の向こう田圃にも沢山....
」より 著者:佐藤垢石
を伴い巣離れの鮒を狙い、水之趣味社の人々と行を共にして、千葉県と茨城県にまたがる水郷地方へ釣遊を試みたことがある。それは、娘が女学校の一、二年の頃であった。それ....
水の遍路」より 著者:佐藤垢石
て尾瀬沼と尾瀬ヶ原の方へも行った。 茨城県にも釣り場は多い。霞ヶ浦を中心とした水郷地方は、釣りを楽しむ者で殆ど知らぬは少ないであろう。大利根川の鱸と鯉と鮒とは....
果物の幻想」より 著者:小川未明
に寺の前の八百屋でまくわ瓜を買ってくるのを例としたことです。 先年、初夏の頃、水郷を旅行して、船で潮来から香取に着き、雨中、佐原まで来る途中、早くも掛茶屋の店....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
眺めて、一時間も幌内の大河を溯航した壮快さを伝えて置きたい。全く内地にもすくない水郷だという感じが私を喜ばせた。海驢のように黒くて大きな流木も浮んで見えた。ベェ....
水郷異聞」より 著者:田中貢太郎
の仲間はその晩の汽車で帰って往ったにもかかわらず、彼一人はかねて憧憬していたこの水郷の趣を見るつもりで一人残っていた。 それは初夏のもの悩ましい壮い男の心を漂....