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「水銀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水銀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
示すものなのです。恐らく湿度計は乾湿ハイグロメーターの湿球のような状態におかれ、水銀は急に熱を奪われて萎縮したことでしょうし、湿度計の方は、その傍に居る人の衣服....
断層顔」より 著者:海野十三
見るためにだ」 「僕はもちろんお供しますよ、おじさま」 甥は急に笑顔になった。水銀地階区三九九――が谷間シズカと碇曳治との愛の巣の所在だった。 老探偵は甥と....
金属人間」より 著者:海野十三
第三のドアが、いちばんすごかった。 それをあけると、がらんとした部屋が見えた。水銀灯《すいぎんとう》のような白びかりが、夜明け前ほどのうす明かるさで、室内を照....
火星探険」より 著者:海野十三
大小さまざまのパイプは魚の腸《はらわた》の如くに見え、紫色に光る放電管、白熱する水銀灯、呻《うな》る変圧器などが目をうばい耳をそばだてさせる。七八人の人々が配電....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
。心配しないでいいのです。これは光線のせいです。ここを照らしている白っぽい光は、水銀灯が出す光線なんです。紫の方の波長の光線ばかりで、黄や赤の光線が殆ど欠けてい....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
あった。人々の面色が、俄かに土色に変ったようであった。これは天井に取付けてあった水銀灯が点灯したためであったが、多くの人は、急にはそれに気がつかなかった。 「や....
火星兵団」より 著者:海野十三
に、どう変ったかというようなことを知りたい時、人が寒暖計のそばにつききりで、一々水銀の高さを読んで記さなくとも、この自記機械にかけておくと、巻紙が廻るにつれ、ペ....
」より 著者:海野十三
七日目のこと、四郎がジリジリと待ったほどの甲斐があって、朝来からの猛烈な温気が、水銀柱を見る見る三十四度にあげ、午後三時というのに、早くも漆を溶かしたような黒雲....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
を、桑名の妓達は宵寝と見える、寂しい新地へ差掛った。 輻の下に流るる道は、細き水銀の川のごとく、柱の黒い家の状、あたかも獺が祭礼をして、白張の地口行燈を掛連ね....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
って来たらしい。それ等が艶々と色に出る。 あれ見よ、その蜘蛛の囲に、ちらちらと水銀の散った玉のような露がきらめく…… この空の晴れたのに。―― ....
化鳥」より 著者:泉鏡花
の足の恰好の悪さといったらない。うつくしい、金魚の泳いでる尾鰭の姿や、ぴらぴらと水銀色を輝かして跳ねてあがる鮎なんぞの立派さにはまるでくらべものになるのじゃあな....
科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
ものは一向に芽をふいて来ませんでした。――而して、近代になって、長岡半太郎博士は水銀を金に変化する実験に成功して、遂に人類の憧れていた一種の錬金術を見出したわけ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ットが話したのに、十八年前にムンツの金属という撓み易いが、ごく強い金属を硝酸第二水銀の液に漬けると、すぐ脆い硬い物になることをファラデーに見せようと思って持って....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
根に山も低い。町はずれを、蒼空へ突出た、青い薬研の底かと見るのに、きらきらと眩い水銀を湛えたのは湖の尖端である。 あのあたり、あの空…… と思うのに――雲は....
註文帳」より 著者:泉鏡花
らず、庭の袖垣を左に見て、勝手口を過ぎて大廻りに植込の中を潜ると、向うにきらきら水銀の流るるばかり、湯殿の窓が雪の中に見えると思うと、前の溝と覚しきに、むらむら....