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水鏡
「水鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女生徒」より 著者:太宰治
あ、と小さい叫びを挙《あ》げてみて、土橋を渡るときには、しばらく小川をのぞいて、
水鏡に顔をうつして、ワンワンと、犬の真似して吠《ほ》えてみたり、遠くの畠を見ると....
「俊寛」より 著者:菊池寛
は、鬼のような土人と比べてさえ、一際立ち勝って見えた。 彼は、時々自分の顔を、
水鏡で映して見る。が、その変りはてた姿を、あさましいなどと思ったことはない。むろ....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
咒詛の事など起ったろうが、仏教ぎらいの守屋も「さま/″\のまじわざものをしき」と
水鏡にはあるから、相手が外国流で己を衛り人を攻むれば、こちらも自国流の咒詛をした....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
まで及んでいたであろうか。 嘉永七年(安政元年利春三十八歳)三月。福岡市天神町
水鏡天満宮二百五十年御神祭につき、表舞台(今の城内練兵場、旧射的場附近御下屋敷所....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あの岩の上で、藻の中をかき分けるようにして、何を見ているのでしょう。自分の姿を、
水鏡にしているのですから、ほんとに自分ながら、気が知れないことだと思います。 き....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
張り切って鏡のようになっていると、そこへ富士の山が面《かお》を出しては朝な夕なの
水鏡をするのでありました。富士の山の
水鏡のためには恰好《かっこう》でありましょう....
「夢の卵」より 著者:豊島与志雄
前の谷川に月の光がさして、そして水が自然に静まる時があったら、その卵《たまご》を
水鏡《みずかがみ》に写してごらんなさい。夢の姿がはっきり見えてきます。またいつか....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
檎むく みさ子 紫陽花きるや袂くわへて起しつつ 久女 睡蓮や鬢に手あてて
水鏡 同 白足袋や帯のかたさにこゞみはく みどり 病み心地の母により添....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
んだ池の水に映してみたとき、どんなに慄いあがったことだろう! はじめのうちはその
水鏡に映ったものがほんとうにわたしであるとは信じかねてたじたじとなり、自分が実際....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
らかの水が筧の口から、泉水の中へ流れ落ちて、細かい飛沫を上げていた。
「のうのう
水鏡を見ようずるにて候」
わけのわからないことをいいながら、歩いていた嘉門は足....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
。それほどの殿様が自分をむごたらしく突き放す筈はない。彼女は涙の乾いた笑顔を遠い
水鏡にうつして見た。 泣いていいか、笑っていいか、今のお菊には見当が付かなくな....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
ようであった。 私は俯伏して水を眺めた。そこには見る影もない私の顔が澄んだ秋の
水鏡に映っている。欄干のところに落ちていた小石をそのまま足で水に落すと、波紋はす....
「おせん」より 著者:邦枝完二
寄るさざ波を、ながし目に見ながら咲いた花の紅が招く尾花のそれとは変った清い姿を、
水鏡に映すたわわの風情。ゆうべの夢見が忘れられぬであろう。葉隠れにちょいと覗いた....
「法然行伝」より 著者:中里介山
然の真影を描いてその銘を所望した処が、法然がそれを見て、鏡を二面左右の手にもち、
水鏡を前に置いて頂《いただき》の前後を見比べていたが、ここが違うといって胡粉《ご....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
て行く。
高く湛えた海の上へ、己はさそい出されて、
我足の下には万象の影をうつす
水鏡が耀く。
新なる日が新なる岸へ己を呼ぶ。
軽らかに廻る火※の車が己を迎える....