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「水陸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水陸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
割りは河童には往来も同様ですから。」 僕は河童《かっぱ》も蛙《かえる》のように水陸|両棲《りょうせい》の動物だったことに今さらのように気がつきました。 「しか....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
っと他の問屋に頼みたい、そのことはもう四、五年も前から、下海道辺の問屋でも今渡(水陸荷物の集散地)の問屋仲間でも、荷主まで一緒になって、みんな申し合わせをしたこ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
「先達て布告に相成り候各国の中、仏英蘭公使、いよいよ来たる二十七日大坂表出発、水陸通行、同夜|伏見表に止宿、二十八日上京仰せいだされ候。右については、かねて御....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
銀座まで出てニューグランドでお茶をのんだ。 近ごろの大旅行であった。舟車による水陸の行程約七里半、徒歩ならゆっくり一日がかりのところである。 自分の生まれな....
安重根」より 著者:谷譲次
るだろう。よし、一緒にやろう。読むぞ。(慷慨の調にて大声に) 敵の汝に逢わんとて水陸幾万里 千辛万苦を尽しつつ 輪船火車を乗り代えて 露清両地を過ぐるとき 行装....
惜別」より 著者:太宰治
をひきい、わかれて独逸、仏蘭西、英吉利にいたり、あるいは政治工商を学び、あるいは水陸兵法を学び、学成りて帰り、もって将相となり、政事一変し、東方に雄視す、などと....
比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
るべき陸地の昇降、地震、火山現象等を追究するに当たって、しばしば古い過去における水陸分布の状態と現在のそれとの異同が問題となり、その一つの参考資料としていろいろ....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
楡の樹のような積雲は、方々が頽れて、谷底へと揺落してしまう、そうしてその分身が、水陸両棲の爬行動物のように、岩を蜿ねり、谷に下って、見えなくなる。 空は高くな....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
るところである、この一事から考えても日本の気候は、日本のごとき位置、日本のごとき水陸分布によって始めて可能であること、従って日本の気候が地球上のあらゆるいわゆる....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
て行く労働者である。その二人が五日前の晩から行方不明になって了い、捜査に努力した水陸両警察署も、何等の手掛を得る事も出来ず、事件はそのまま忘れられようとしていた....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
いえ両者は味方らしい。 そうして両者の行先は、芹沢の郷に相違ない。 とにかく水陸呼応して、奇怪な尼僧の一団が、月の明るい更けた夜を、走り走って行くのである。....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
は陸上競技も当時日本の第一人者で、オリムピックでは十種競技にでたように記憶する。水陸を兼ねてスポーツの名手であるから、世人がアダ名して斎藤兼吉とよび、アダ名の兼....
取舵」より 著者:泉鏡花
いは蒼く、濃緑に、浅葱に、朱のごとく、雪のごとく、激しく異状を示したり。 邇く水陸を画れる一帯の連山中に崛起せる、御神楽嶽飯豊山の腰を十重二十重に※れる灰汁の....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
野の奥深くから流れてくる河川の便にも恵まれております。四周に豊かな生産地をもち、水陸の交通輸送の便に恵まれている江戸の地ほど、新時代の城下に適したものはござらん....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
のと交際せず、冠婚葬祭も陸上とは全くその縁を絶ち、水居仲間にてこれを行う。教育も水陸別途なり。ゆえに、水上に別に寺院船ありて、その中にて葬儀を行い、また別に学校....