水霜[語句情報] » 水霜

「水霜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水霜の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
朝、不図見ると富士の北の一角に白いものが見える。雨でも降ったあとの冷たい朝には、水霜がある。 十月は雨の月だ。雨がつゞいたあとでは、雑木林に茸が立つ。野ら仕事....
石狩川」より 著者:本庄陸男
重苦しく暗いのだ。 翌朝早く彼らは出かけた。まだ秋の夜がそこえらに漂っていた。水霜のおりた空気は肌にしみるのだ。しばらくは吐く呼吸も白くもや立って見えた。 ....
木の葉山女魚」より 著者:佐藤垢石
粟の庭仕事も次第に忙しくなってくる。栗拾いの子供らが、分け行く山路の草には、もう水霜が降りて竜胆の葉がうなだれる。 渓流の波頭に騒ぐ北風も、一日ごとに荒らだっ....
父の俤」より 著者:佐藤垢石
、雄鶏が先へ飛び降りて、ククと雌鶏を呼んだ。 初夏とはいうけれど、時によっては水霜も降りるこの頃では、朝の気は私の小さな手に冷たかった。 『もう、行こうよ!』....
種山ヶ原」より 著者:宮沢賢治
》に戻《もど》ってしまうのです。なぜなら、九月には、もう原の草が枯《か》れはじめ水霜《みずしも》が下りるのです。 放牧《ほうぼく》される四月《よつき》の間も、....