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「水飲み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水飲みの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
美人の膝枕せし老夫《おやじ》なり。馬は群がる蠅《はえ》と虻《あぶ》との中に優々と水飲み、奴は木蔭《こかげ》の床几《しょうぎ》に大の字なりに僵《たお》れて、むしゃ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
言った。一八五一年スリーマン大佐曰く数年前ウーズ王の臣騎馬で河岸を通り三疋の獣が水飲みに来るを見ると、二疋は疑いなく幼い狼だが一疋は狼でなかった、直ちに突前して....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
みにくきことこの上なけれど、休みもせず、ついに渋民《しぶたみ》の九丁ほど手前にて水飲み飯したため、涙ぐみて渋民に入りぬ。盛岡《もりおか》まで二十銭という車夫あり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》なんぞも紅くなりはじめたことだんべえ。俺が水車にいると、よく前の川へ鹿の野郎が水飲みに来たっけ。モ一ぺん水車小屋へ帰るべえか。帰ったところで大先生がいねえこと....
B教授の死」より 著者:寺田寅彦
な寝顔が見えた。枕上の小卓の上に大型の扁平なピストルが斜めに横たわり、そのわきの水飲みコップの、底にも器壁にも、白い粉薬らしいものがべとべとに着いているのが目に....
ある遊郭での出来事」より 著者:若杉鳥子
んで料理場の包丁を皆残らず研がしといたんだとさ。すると夕方になって、野郎が台所へ水飲みに来たから、皆変だとは思ったが、その時鮪包丁が一本見えなくなった事は誰も気....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ボブ・クラチットの肱の傍には家中の硝子器と云う硝子器が飾り立てられた――すなわち水飲みのコップ二個と、柄のないカスタード用コップ一個と。 これ等の容器は、それ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
汝の光がいかに快いことであろう! 万人が水を飲まんとて足を踏み込み濁らしてる共同水飲み場から、顔をそむけた魂は、汝の胸に取りすがって、汝の乳房から夢想の乳の流れ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
兵の屯所《とんしょ》もすぐそばにあった。 ところが意外にも、追跡されてる男は、水飲み場の傾斜を上ってゆかなかった。彼はなお川岸通りに沿って汀《みぎわ》を進んで....
ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
。たまらなく咽喉が渇いて水が欲しくなり、夜にまぎれて脱け出して、村はずれの井戸に水飲みに出かけると、向うからも黒い影が二つ三つ忍び寄って水を捜しに来る者がある。....
南国太平記」より 著者:直木三十五
が、心得ある家来の所作か――」 斉興は、一気に、ここまで喋って、疲れたらしく、水飲みを指さした。そして、呟き入った。 「恐れながら――」 沈黙している一座の....
氷湖の公魚」より 著者:佐藤垢石
た井戸かをいい当てるを誇ったということである。支那にも李徳祐陸羽、蒲元などいう清水飲み分けの名人がいた。 水の味を飲み分けるのは、余程舌の肥えた人でないとむず....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
冬がくる、とつぶやくのである。 公園の広場をとりまく灌木のひくい斜面のしたに、水飲み場のついた混凝土《コンクリート》の小さな休憩所がある。 砂場や辷り台で遊....
清心庵」より 著者:泉鏡花
きて、肩のあたりに秋ぞ染むなる。さきには汗出でて咽喉渇くに、爺にもとめて山の井の水飲みたりし、その冷かさおもい出でつ。さる時の我といまの我と、月を隔つる思いあり....