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水髪
「水髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
った。また特に粋を標榜《ひょうぼう》していた深川の辰巳風俗としては、油を用いない
水髪が喜ばれた。「後ろを引詰《ひっつ》め、たぼは上の方へあげて
水髪にふつくりと少....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
眉であった。額も美しいが狭まっていた。 きょうは、髪の前をちょっとカールして、
水髪のように捌いた洋髪に結っていた。 心なしか、わたくしが、父の通夜明けの春の....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ハイカラ娘の演るように――と洋傘を持った風采を自ら嘲った、その手巾を顔に当てて、
水髪や荵の雫、縁に風りんのチリリンと鳴る時、芸妓島田を俯向けに膝に突伏した。 ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
三十を一つ出た。が、二十四五の上には見えない。一度五月の節句に、催しの仮装の時、
水髪の芸子島田に、青い新藁で、五尺の菖蒲の裳を曳いた姿を見たものがある、と聞く。....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
くと思うと、やがて軍鶏の威毛を戦き揺いで、それから鶏を手から落した咄嗟の、お夏の
水髪を二筋三筋はらはらと頬に乱して、颯と吹いてそのまま寂寞。 この名残であろう....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
耳にとめた左右太が、オヤと、お次の胸をつき放して、伸び上がってみると、油けのない
水髪のぞんざい結びに、横櫛をさした女が、流し眼に、下を振り向いて、にこと、夕顔の....