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「氷人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

氷人の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
自分の家出の後仕末に立ち合ったひとなので、まるでもう、自分の更生の大恩人か、月下氷人のように振舞い、もっともらしい顔をして自分にお説教めいた事を言ったり、また、....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
す、それに反して私は、之がなくば秀子を我が物とする事が出来なんだかと思い之を月下氷人とも崇め做すのです」と云いつつ其の手を取り上げて熱心に其の傷の所に接吻した、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
かり。推しものの痘痕は一目見て気の毒な程で、しかも黒い。字義をもって論ずると月下氷人でない、竈下炭焼であるが、身躾よく、カラアが白く、磨込んだ顔がてらてらと光る....
海底大陸」より 著者:海野十三
あり、また随一の冒険児でもあったのだ。そして海底大陸とわが人類との間をむすぶ月下氷人のような役割さええんじていたのだ。ちょうど、わが人類側からの連絡使節が、長良....
蒲団」より 著者:田山花袋
の恋を遂げたいとの切なる願望。時雄は芳子の師として、この恋の証人として一面|月下氷人の役目を余儀なくさせられたのであった。 芳子の恋人は同志社の学生、神戸教会....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
しく願います、娘はまだ年もいかず、世間知らずの不束者だから何分宜しくお頼み申す、氷人は宵の中だから、婆アいゝかえ、頼んだぜ」 婆「貴方は頼む/\と仰しゃって何で....
罠を跳び越える女」より 著者:矢田津世子
してくれんかな。今からお嫁入りの仕度とは殊勝な、どうだね、前川さん、この私の月下氷人じゃァ、ハハハハ、気に入らんというのかな。」 眼鏡を上下に揺すって、部長は....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
では、からだは大きくふくれて、しかもこおってしまうよ。つまり全身しもやけになった氷人間になっちまうよ。もちろん、たちまち君は死んじまう」 「おどかしちゃ、いやだ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ませんよ。子といっても山楽は本当の子ではない、養子であったのだ、しかもその養子の氷人《なこうど》が、やっぱり天下第一の秀吉の直接の口利きであっただけに、養子では....
藪の鶯」より 著者:三宅花圃
なら」ともろともにおしき袂《たもと》を分ちけり。アアこの佳人才子の出会こそ。月老氷人《むすぶのかみ》のなかだちで。好《こう》えんを結ばせ給うならめと。ただもろと....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
なあ。まあいいさ、――弟のやつも女房のやつも、たんと瞞くらかされるがいいや。月下氷人という役がどんなに難かしいものか、第一課でうんと手を焼いてみるがいいや。』 ....
二面の箏」より 著者:鈴木鼓村
基であった。 両親は頗る喜んで早速この由を先方へ通ずる、そこで、かたの如く月下氷人を入れて、芽出度く三々九度も終ったというわけだ。 男というのは当時某会社に....
白い道」より 著者:徳永直
まるところはですナ、ご両人でよろしくやってもらうよりないんだよ。わしはその、月下氷人でネ、これからさきは知らんですよ――」 それで深水が笑うと、彼女も一緒にわ....
ハイカラ考」より 著者:木村荘八
―ハイカラの張本人ここにありと云わなければならない。 面白いのはこの日の「月下氷人」格の府知事大久保一翁で、この人はかねて大の刀剣通の、その蒐集する刀の蔵い場....