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氷水
「氷水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氷水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
。で、葉子は後ろを振り向きもせずに、箸《はし》の先につけた脱脂綿《だっしめん》を
氷水の中に浸しては、貞世の口をぬぐっていた。
こうやってもののやや二十分が過ぎ....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
ごとくになり申した。疲れに疲れし一行は、途中掛茶屋さえあれば腰を下《おろ》して、
氷水を飲む、真桑瓜《まくわうり》を食う、饅頭《まんじゅう》をパク付く。衛生も糸瓜....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
と言うた。挨拶の仕様がなかったので、柳吉は天候のことなど吃り勝ちに言うた。種吉は
氷水を註文《いい》に行った。 銀蠅《ぎんばえ》の飛びまわる四|畳《じょう》の部....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
た。いつもの年ならば、人々は、襯衣《はだぎ》一枚となり、あついあついと汗をふき、
氷水をのむのであったが、その年の七月八月は、まるで高山の上に暮しているように寒冷....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
たくしがかの女に何か御馳走の望みはないかと訊くと、 「では、あの、ざくざく掻いた
氷水を。ただ水というのよ。もし、ご近所にあったら、ほんとに済みません」 と俄に....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
蜿くっているのを、私は見た。 そのほかには一種の軽子、いわゆる立ちン坊もここで
氷水を飲み、あま酒を飲んでいた。 立ちン坊君を相手にして、しばしば語ったことが....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
どが乾いた。冷たいラムネでも飲みたい。何処かで休んで、話しない? 少し行くと、
氷水店があった。硝子のすだれが凉しい音をたてゝ揺れていた。小さい築山におもちゃの....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
ものである。しかしながら毎日ガラス絵を連続して描くことはまた閉口だ、めしの代用を
氷水でやっているようでこれはまたたまらない。 ガラス絵もやはり偶然の効果を利用....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
を附けまして両側へ数十本|立列ね、造り花や飾物が出来ます。水菓子屋或は飴菓子団子
氷水を商う店が所々に出まして、中々賑やかな事でございます。近郷のものが皆参詣に出....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
札を持参したから、木戸銭は三銭。弁当は携帯の食パン二銭、帰途に水道橋ぎわの氷屋で
氷水一杯一銭。あわせて六銭の費用で、午前八時から午後五時頃まで一日の芝居を見物し....
「妖婦」より 著者:織田作之助
所の若い男たちの中で問題になった。家の隣りは駄菓子屋だが、夏になると縁台を出して
氷水や蜜豆を売ったので、町内の若い男たちの溜り場であった。安子が学校から帰って、....
「銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
偽物を売る古道具商、女客を招いて恋を占う売卜者、小児を呼ぶ金魚商、労働者を迎うる
氷水商、おもいおもいに露店を列べて賑わしく、生活のために社会と戦う人の右へ走り左....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
往復するので、その当時の彼らとしては優に生活が出来たらしい。その立ちン坊もここで
氷水を飲み、あま酒を飲んでいた。 立ちン坊といっても、毎日おなじ顔が出ているの....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
氏、自動車にて歓迎せらる。即時に同氏の宅に至り、冷茶を喫す。ドイツにては、暑中は
氷水にて茶を喫すること流行するという。これより博物館、公園、遊覧台、植物園等を巡....
「洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
ずれかと言えば、車えびの方が無論上等である。 近ごろでは洗いづくりをするのに、
氷水を使うのが当り前となっているようだが、これはなるべく避けたいものと思う。わず....