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氷炭
「氷炭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氷炭の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
考えず、アントニムとして置き並べたものとしたら? 罪と罰、絶対に相通ぜざるもの、
氷炭|相容《あいい》れざるもの。罪と罰をアントとして考えたドストの青みどろ、腐っ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
している。矛盾とは、力において、量において、もしくは意気|体躯《たいく》において
氷炭相容《ひょうたんあいい》るる能《あた》わずして、しかも同程度に位する物もしく....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
論派または改進論派とややその傾きを同じくし、自由論派、大同論派、また国民論派とは
氷炭相容れざるの関係あり。この点においてはほとんど第一期の国富論派を再述するもの....
「死生」より 著者:幸徳秋水
亦た自然の傾向である、前者は利己主義となり、後者は博愛心となる。 此二者は古来
氷炭相容れざる者の如くに考えられて居た、又た事実に於て屡ば矛盾もし衝突もした、然....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
、社会科学的認識の過剰でもあるし又他方に於て就職戦術的認識の過剰でもある。二つは
氷炭相容れないものだが、併しそのどちらかに態度を決定しなければならないというのが....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
概念と矛盾する。まして世界の人間が常識的に持っている空間や時間の観念とは、完全に
氷炭相容れないものだろう。人々によれば、このような諸観念は、空間や時間の観念を破....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
析を通じての描写だからである。観念論的歴史方法論が、歴史記述を自然科学的研究法と
氷炭相容れないものであるかのように対立させたがるのも、だから必ずしも理由のないこ....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
自然の傾向である。前者は利己主義となり、後者は博愛心となる。 この二者は、古来
氷炭相容れざるもののごとくに考えられていた。また事実において、しばしば矛盾もし、....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
してどういう話題の廻り合せか、秦は告白的な低声で丹永のことを語っていた。 「……
氷炭相容れず、冷熱並び存しない筈だが、あれのうちには、それが二つとも、りっぱに存....
「東京文壇に与う」より 著者:織田作之助
心として、無意識に争われなかったとは云い切れぬと思う。東京と大阪の感情は、永遠に
氷炭相容れざるものと思う。だから、東京中心の今日の文学感情が、織田氏に反感を感じ....
「白い光と上野の鐘」より 著者:沼田一雅
れが当年|六十路《むそじ》あまりのおばアさんとは、反目《はんもく》嫉視《しっし》
氷炭《ひょうたん》相容《あいい》れない。何ということ無しにうつらうつらと面白く無....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
事情になる諸家の素人窯から優秀なる名陶が生まれ出でようはずのないことは別段ここに
氷炭冷熱をいわずともみずから明らかではないか。それはいうまでもなく当たるに足るし....