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氷点
「氷点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氷点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
、あくまでその死せんことを、むしろ殺さんことを欲しつつありし悪魔を救わんとして、
氷点の冷、水凍る夜半《よわ》に泳ぎを知らざる身の、生命とともに愛を棄てぬ。後日社....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
さーっと来ては過ぎ、過ぎては来る。君たちは手袋を脱ぎ去った手をまっかにしながら、
氷点以下の水でぐっしょりぬれた配縄をその一端からたぐり上げ始める。三間四間置きぐ....
「人間灰」より 著者:海野十三
と同じでしょう」 丘署長も田熊氏も感心して見惚れた。 「なにしろこの液体空気は
氷点下百九十度という冷寒なものですから、これに漬けたものは何でも冷え切って、非常....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
があるので、ここへよって上高地の状態を聞く。積雪量は二尺くらいで、温度は最低摂氏
氷点下十三度くらいだという。上高地温泉には下赤松の奥原吉次郎という爺さんが番をし....
「芝刈り」より 著者:寺田寅彦
の日光を吸収して、芝は気持ちよく生長する。無心な子供に踏みあらされても、きびしい
氷点下の寒さにさらされても、この粘り強い生命の根はしっかりと互いにからみ合って、....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
く、ゆっくりと着陸した。 「外へでるのですか」 「いや、外はなかなか寒い。今でも
氷点下三十度ぐらいあります。蠅のテレビ劇は、この樽の中で見られます。この器械がそ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
人といえるかどうか。なにしろ下が東京の銀座とか日比谷公園でもあるのならともかく、
氷点下何十度という無人境なんだ。そんなところへ落下傘でおろすような奴は、やっぱり....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
と時刻とが徒歩の目的に適していないと云ったところで、寝床が温かで、寒暖計はずっと
氷点以下に降っていると抗弁したところで、自分は僅かに上靴と寝間着と夜帽しか着けて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
可思議な怪現象を捲き起そうということは、実に怪に似て怪ではないのです。たとえば、
氷点下の山を襲って来る霧が、立っている物体にそのまま凍りついて、風の吹く反対の方....
「氷河」より 著者:黒島伝治
いことを克明に知るばかりだった。 三 寒暖計の水銀が収縮してきた。
氷点以下七度、十一度、十五度、そして、ついに二十度以下にさがってしまった。 ソ....
「凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
総称して降水と言う。その中でも水蒸気が地上の物体に接触して生ずる露と霜と木花と、
氷点下に過冷却された霧の滴が地物に触れて生ずる樹氷または「花ボロ」を除けば、あと....
「成層圏飛行と私のメモ」より 著者:海野十三
。この成層圏の性質は、もちろん、空気は稀薄であり、水蒸気は殆どなく、温度も摂氏の
氷点下五十何度という寒冷さにおかれ高層にのぼるほど多少温度が上昇する傾向がある。....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。すなわち氷の二片を圧すと固まりて一片となるというので、これは周囲の空気の温度が
氷点より少し高くても出来ることである。 一八五九年、王立協会にてヴィクトリア女....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
凍えて死ぬの寝られんのというようなこともない。朝は氷が張って居る位ですから温度は
氷点以下です。そこでまずその晩寝ましたがちょうどそれが陰暦の六月十三日の晩ですか....
「粉雪」より 著者:中谷宇吉郎
ってしまうからである。気温が時々零度以上になるような地点では勿論のことであるが、
氷点以下に保たれていても、結晶はどんどん変形するのである。それは個体の状態から直....