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氷結
「氷結〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氷結の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
った。その光の流れはこちらへも向うの横丁へも流れて行かず、筧を流れる水がそのまま
氷結してしまったようだった。それが豹一の心に眩しかった。 その光の中に、詳しく....
「村の怪談」より 著者:田中貢太郎
ぶん》の殺したのはお姫様であったか、しまったことをしたと思って、全身の血が一時に
氷結したように思った。 「や、これは、お姫様、何者がこんな姿に……」 と、一人....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
すでに一千年余の冷凍睡眠をへたのである。 冷凍睡眠というのは、人間を生きたまま
氷結させてしまい、必要な年数だけ、そのままにしておくことである。これはなかなかむ....
「人間灰」より 著者:海野十三
が認められた。引き上げてみると、それは外ならぬ赤沢博士の屍体だった。全身は真白に
氷結し、まるで石膏像のようであったが、その顔には恐怖の色がアリアリと見えていた。....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
」 その太い二本の電線は、正門の側にある電柱まで一直線に伸びていて、その上には
氷結した雪が載っていない。イリヤはその周囲全部に渉って説明を始めた。 「ええ、パ....
「運命」より 著者:幸田露伴
じて突至せず。是に於て守る者|便を得、連夜水を汲みて城壁に灌げば、天寒くして忽ち
氷結し、明日に至れば復登ることを得ざるが如きことありき。燕王は予め景隆を吾が堅城....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
揺ぎ出すのだ。ある朝「バイカル!」の声にあわてて窓かけを排すると、浪を打ったまま
氷結したバイカルが、敷布のように白く陽にかがやいて私たちのまえにあった。それは湖....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
んだあとからは、兵卒達が口紅を舐め取るために先を争った。ダニウブが六|呎の厚さに
氷結して子供たちはみんなスケイトに行ったのでブカレストの学校は自然に閉鎖された。....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
初めて牧塲の越年たるを以て、如何なる事あらんかと一同配慮するも、寒さにも耐えて、
氷結の初めより暁夕毎に堅氷を砕き、或は雪を踏んで一日二回は習慣たる冷水灌漑を実行....
「雨」より 著者:織田作之助
った。その光の流れはこちらへも向うの横丁へも流れて行かず、筧を流れる水がそのまま
氷結してしまったように見えた。何か暗澹とした気持で、光を避けて引きかえしたが、ま....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
たね。そして息抜けを作って、鍵穴の中に隠しておいたのだ。すると、摂氏十度でこれが
氷結する。ところが、二十五度になれば沸騰をはじめるんだ。それで、栓がだんだんに持....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
をけしかけるので、すぐ旅の支度をした。 私は、今までの平地用の橇を、起伏の多い
氷結した大海にむくように作った橇に変え、食糧をどっさり買いこんで陸地を離れた。 ....
「榛名湖の公魚釣り」より 著者:佐藤垢石
だ湖面に氷が張っていないから小舟を水に浮かべて釣ったが、一月に入ると湖はすっかり
氷結するから、厚い氷へ、一尺四方くらいの穴をあけて、そこへ鈎を下ろすのである。ブ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
と、砕氷船。 「大きいぞ。」と声がかかる。 と、たちまち、船影は消えて、一面の
氷結した極寒の海峡が真白く、白く、暗い影の底から遥かに遥かに光る。輝く。寒い寒い....
「雨」より 著者:織田作之助
光りの流れは、こちらへも又、向うの横丁へも流れて行かず、筧をながれる水がそのまゝ
氷結してしまった様である。その為のこの横丁の暗さであったか、何か暗澹とした気持で....