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氷花
「氷花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氷花の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
《ねぶ》っている。 「わたくしが」 と福慈の女神は静に言葉をついだ。女神の顔は
氷花のように燦めき、自然のみが持つ救いのない非情と、奥底知れない泰らかさとが、女....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
つけて戸外を見た。何とも云えぬ艶をもって壮厳な碧黒い空が枝という枝の端まで真白く
氷花に覆われた林の間から重く見える。 「ほんとに凍《し》みらあ」 信吉は、起き....
「坂」より 著者:宮本百合子
二月であったから雪があって、冬ごもりの封をした二重窓の硝子は夜々すっかり凍った。
氷花のついた窓硝子にまっ青な月の光が一面にさし、夜中十二時になると打ち出すクレム....
「砂遊場からの同志」より 著者:宮本百合子
についている照明燈みたいな※※と円い標《しるし》を屋根につけた電車が、冬は真白く
氷花に覆われた並木道に青いスパークを散らしながら走る。 夕方、五時というと冬の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ら今日はうれしいのよ。 「指頭花」が氷結したような工合になって居ります。しかし、
氷花の中につつまれて、咲いている不思議な可愛い花の姿は又格別の眺めです。忙しくて....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
登った時――あの晩の星もきれいだったな。あれは、冱寒の冬だったが、今ごろならば、
氷花の樹々にも、もう山桜のつぼみが膨らんでいる時分)
考えようともしないそんな....