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「氷菓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

氷菓の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
》の火を入れ更《か》えて、僕の足の下に置いて行った。二返目には近所から取り寄せた氷菓子《アイスクリーム》を盆に載《の》せて持って来た。僕はそのたびごと階級制度の....
行人」より 著者:夏目漱石
、付景気《つけげいき》の言葉がだんだん出なくなって来た。 三沢は看護婦に命じて氷菓子《アイスクリーム》を取らせた。自分がその一杯に手を着けているうちに、彼は残....
赤い貨車」より 著者:宮本百合子
アンナ・リヴォーヴナその他の女たちは、黙って払い下げ品ロマノフ家紋章入りの皿から氷菓と一緒にこまこました思いを飲み下した。例えば、八十五ルーブリ――しかもそれが....
三鞭酒」より 著者:宮本百合子
れるのを目撃するのは、何か、一嗅ぎの嗅ぎ煙草でも欲しい心持を起させるものだ。私は氷菓《アイスクリーム》を一片舌にのせた。その途端、澄み渡った七月の夜を貫いて、私....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、流血が腫起した周囲を塗って火山型に盛り上り凝結している所は、宛ら桜実を載せた氷菓そっくりであるが、それ以外には外傷は勿論血痕一つない。のみならず、着衣にも汚....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
すったりした。田舎出の少年は、おそるべき健啖ぶりであった。彼は、冷いのみものや、氷菓子を好まなかった。鉄板にじいじい音をたてて焼かれる丸いかたまりを、卵起しのよ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ンレー、キャンレーと呼んで通る。毎日、晴天だと今頃。これはキャンデーのことです。氷菓子だそうです。この辺の子供は、東北地方のようにとうもろこしや枝豆はたべないの....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の賭け骨牌)を試みていた。若い人びとはビロード張りの長椅子にだらしなく倚りながら氷菓子を食べたり、煙草をくゆらしたりしていた。応接間では、賭けをするひと組の連中....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にはガス灯がともってい、女らは店で買い物をし、レーテル珈琲《コーヒー》店では客が氷菓子を食べ、イギリス菓子屋では人々が小さな菓子を食っていた。ただ四、五の駅馬車....
日記」より 著者:宮本百合子
生堂の前まで来ると、国男に会う。晴れたり降ったりする定めない天気であった。一緒に氷菓をたべて、須田町へより、藪へ入ってから家へ戻る。国男は仕合わせそうに見えた。....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
日差しは真ひるになろうとし、風はそよともなく、暑熱は炊くがごとくである。食後には氷菓子を注文したのだが、思えば家郷はいまや飛雪の時なのである。) 新嘉坡舟中....
食道楽」より 著者:村井弦斎
オー フリイ ア ラ シャンペン)にてゼリーに三鞭の入りし菓子。第十一の牛酪製氷菓(ムース オー フレイズ)は菓物入の菓子なり。第十二の挽茶《ひきちゃ》および....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
よれよれの燕尾服に身を固めた父親のピョートル・レオンチイッチが寄って来て、桃色の氷菓の皿を差し出した。 「今晩のお前は女神さまのようだよ」と彼は惚れぼれと娘を眺....
それから」より 著者:夏目漱石
《がぜん》として氷水屋に変化するとき、第一番に馳《か》けつけて、汗も出ないのに、氷菓《アイスクリーム》を食うものは誠太郎である。氷菓がないときには、氷水で我慢す....