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永い
「永い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
永いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《あかる》みが、漂《ただよ》っているのでございます。わたしはこの不思議な微笑に、
永い間《あいだ》見入って居りました。と、いつかわたしの顔にも、やはり微笑が浮んで....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ざかる彼等の声を憎み憎み、いつかまた彼の足もとへ下りた無数の鳩にも目をやらずに、
永い間|啜《すす》り泣きをやめなかった。
保吉は爾来《じらい》この「お母さん」....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
みよ》の古《いにしえ》からここに屯《たむろ》をしていて、人の来るのを待ちつけて、
永い久しい間にどのくらい何斛《なんごく》かの血を吸うと、そこでこの虫の望《のぞみ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
と呼ぶ。それは石の生活と同様の生活だ。石は外界の刺戟なしには永久に一所にあって、
永い間の中にただ滅して行く。石の方から外界に対して働きかける場合は絶無だ。私には....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
〇年前にヘシオドの書いていることとほとんど同じことなのである。これから見るとこの
永い年月の間において自然の研究は一歩も進まなかったかと思われるのであるが、もっと....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
主義に偏する傾向が顕著である。殊にヨーロッパでは強力な国家が狭小な地域に密集して
永い間、深刻な闘争をくり返し、科学文明の急速な進歩に大なる寄与をなしたけれども、....
「橋」より 著者:池谷信三郎
そこに、昔のままの十八の少女の姿をした彼女を発見するまでには、少なくも三四十年の
永い歳月が要るのです。その間、女の幻を懐いて、嵐の夜もじっと山合いの小屋の中に、....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
犬 レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 この犬は名を附けて人に呼ばれたことはない。
永い冬の間、何処にどうして居るか、何を食べて居るか、誰も知らぬ。暖かそうな小屋に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
生活が何年位続いたかとのお訊ねでございますか……。自分では一|切夢中で、さほどに
永いとも覚えませんでしたが、後でお爺さまから伺いますと、私の岩屋の修行は現世の年....
「狂女」より 著者:秋田滋
、流れぬ水のように、一ところに澱んだままになっていたのだろうか。 十五年という
永い年月の間、彼女はこうして一間にとじ籠ったまま、じッと動かなかった。 戦争が....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
依らず物ごとを信じ切っていた。私もやはり両親のように物ごとを信じて疑わなかった。
永いあいだ私はゆめが破れてしまったのは、晩年になってからのことに過ぎない。 私....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
せた。気だての優しい、容色もなかなかいい女だった。 老人夫婦が代って自分たちの
永い永い間の心痛と苦労のかずかずを語りおわると、親子はもう一度抱き合った。その晩....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
そこに美しい山が、ポカリと浮いている。空も桔梗色で、山も桔梗色である。空には横に
永い雲がたなびいている。 まったく雨飾山は、ポカリと浮いたような山である。物凄....
「活人形」より 著者:泉鏡花
に手を懸け引起し、移ろい果てたる花の色、悩める風情を打視め、「どうだ、切ないか。
永い年月よく辛抱をした。豪い者だ。感心な女だ。その性根にすっかり惚れた。柔順に抱....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
有る内に、綸をするするするする持ってきますが、植木やさんは、少し痲の気でお小用が
永いですから、急に止める訳にもいかず、此方を振り反って見て、「おいおい、そう引く....