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「永き日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

永き日の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
記憶を繰り返すのも厭《いと》わず、たびたび過去の節穴を覗いては、長き夜《よ》を、永き日を、あるは時雨《しぐ》るるをゆかしく暮らした。今は――紅もだいぶ遠退《とお....
草枕」より 著者:夏目漱石
》を鳴き尽したる後《のち》、夕暮深き紫のたなびくほとりへ行ったかも知れぬ。または永き日を、かつ永くする虻《あぶ》のつとめを果したる後、蕋《ずい》に凝《こ》る甘き....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
けし四月初めの土曜。今日は朝よりそぼ降る春雨に、海も山も一色に打ち煙り、たださえ永き日の果てもなきまで永き心地せしが、日暮れ方より大降りになって、風さえ強く吹き....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
の出で来て、夕べの縁日に釣忍たずぬるはこれも江戸ッ児のお約束ごととでもいおうか。永き日の読書にも倦んじて、話すべき友も傍にはおらず、かかるとき肱を枕にコロリとな....
風流仏」より 著者:幸田露伴
になれ/\と祈る落花のおもしろきをも眺むる事なくて、見ぬ天竺の何の花、彫りかけて永き日の入相の鐘にかなしむ程|凝り固っては、白雨三条四条の塵埃を洗って小石の面は....
獄中生活」より 著者:堺利彦
禁錮の者でも、自ら願うて役に就くのが少なくない。永島永洲君からの見舞の端書に、「永き日を結跏の人の坐し足らず」という句があったが、我々凡夫、なかなかそんなわけに....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ぬるむ 子鴉や苗代水の羽づくろひ 春寒の白粉解くや掌 梅ちりて鶴の子寒き二月かな永き日や花の初瀬の堂めぐり 伐り出す木曾の檜の日永かな 寒食の膳棚に吹く嵐かな ....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
内外人の眼に展したなら、これほど深い意味を生ずるものは他にあるまい。 春近し。永き日の光る風を浴びて、三緑山の老松の下に徳川初期の偉大なる統治の力と、燗熟した....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
氏のただ一枚の短冊にこういう句が書いてある。それは「送別」としてあってその下に、永き日や欠伸うつして別れ行く 愚陀 と書いてある。愚陀というのはその頃漱石氏は....