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永らく
「永らく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
永らくの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
のとッつぁんも、何か少し加減が悪いような話だがもうえいのかいて、聞くと、おやじが
永らくぶらぶらしてますから困っていますと云う、それだからこうして朝草も刈るのかと....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
明けて頭を出すと、椎の枝が青空を遮《さえぎ》って北を掩《おお》うている。 母が
永らくぶらぶらして居たから、市川の親類で僕には縁の従妹《いとこ》になって居る、民....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
た。 「ああ、何です、何です。何うしたんです……」 浅間しくも、僕の身体の中に
永らく下宿している「黄谷青二氏」は、浅間信十郎――これが僕の本名だ――の制止する....
「振動魔」より 著者:海野十三
立ち竦みでもしたかのように彼女から遠のくことが出来なくなるだろう。だが柿丘秋郎を
永らく、雪子夫人の肉体への衝動を起させることなしに救っていたものは、実に柿丘秋郎....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
だから、他へは決して洩らさぬことを誓わされたものなのです。不幸なる亡友Y――は、
永らくおのれが胸だけに秘めていた解き得ぬ謎の解決を求めんがために折角私という話相....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
。百合子は突然、二人の訪問客を受けて近頃にない驚きを覚えました。その内の一人は、
永らく休職していた筈の尾形警部であったのです。 「お嬢様、今日は私の友人を連れて....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
れた伊号一〇一潜水艦は、大胆不敵にも、大混乱を始めている主力艦の後方に浮び上り、
永らく中絶していた味方の艦隊との連絡をつけるために、搭載していた飛行機を送り出す....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
うのが、駈けつけてくれた。彼は真一を申し訳に診ただけで、 「心臓麻痺――ですな。
永らく心臓病で寝ていたということにして置きますから……」 といって、その旨をす....
「火星兵団」より 著者:海野十三
して、蟻田博士の心を直し、地球人類のために博士のすぐれた智力を出してもらおうと、
永らくつとめて来たのであるが、今度という今度は、先生も、さじをなげてしまった形で....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
に命ぜられた。 「さあ僕にも、まだ分ってはいないが、馬詰丈太郎氏は、博士の助手を
永らくしていたというから、一つ訊いてみましょう」 帆村は馬詰をつれて、人造人間....
「あのころ」より 著者:上村松園
祖父が京都高倉三条南入ルのところに今もあるちきり屋という名代の呉服屋につとめて、
永らくそこの支配人をしていましたそうです。 夏は帷子、冬はお召などを売る店とし....
「橋の上」より 著者:犬田卯
本当にステッキを食わされなければならなかった。 夏休みがやってきた。 圭太は
永らく病床にあった父を亡くした。 そしてそれは彼にとって、さぶちゃんとも、綾子....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
町奉行であった大塩後素の甥に当たりまして、京都高倉の御召呉服商長野商店の支配人を
永らくいたしておりました。祖父は、一時、主家の血統が絶えようとした時、縁つづきの....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
、中途で逸らすようでは、岡っ張で、だぼ沙魚を対手にしてる連中と、違い無いさ。随分
永らく釣を行った癖に、今夜の不首尾は、自分ながら呆れるよ。それやこれやに就て、思....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
です。魯迅さんが毎日のように来られて何冊かの本を買って帰られるのを見ると、先生が
永らく日本の書物に飢えて居られたことが解りますので私はとても嬉しかったですよ。 ....