永別[語句情報] »
永別
「永別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
永別の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地図に出てくる男女」より 著者:吉行エイスケ
たわものである証拠! ――米良、冷かすのはよしてくれ! 今夜の酒杯が我々の間の
永別になるだろう。 ――それというのは? 米良の堪えていた涙が溢れ落ちる。 ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
かわさず、彼は戦地にわれは帝都に、おのおの心に不快の塊をいだいて、もしこのままに
永別となるならば、と思うとはなく、ほのかに感じたる武男が母は、ついにののしりのの....
「父の手紙」より 著者:宮本百合子
た。 二十一ぐらいの時から、私は父たちの暮しと別になったのであったが、それから
永別するまでの十数年間に貰った手紙の数は決して多くなかった。手紙をかくのは母の役....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
した」と、彼は言った。 法会はふかい沈黙のうちに終わった。一族の人びとは死骸に
永別を告げるために進んでゆくと、そのあとから大勢の会葬者もつづいて、多年自分たち....
「故郷」より 著者:井上紅梅
前に行かなければならない。それが今度の帰省の全部の目的であった。住み慣れた老屋と
永別して、その上また住み慣れた故郷に遠く離れて、今食い繋ぎをしているよそ国に家移....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
尽し、輓近《ばんきん》東洋に、自由の新境域を勃興《ぼっこう》せんと、暗《あん》に
永別の書を贈りし所以《ゆえん》なり。ああ儂や親愛なる慈父母あり、人間の深情|親子....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
限もわきまえたつもりでいるから、自分の仕事への未練でもない。所詮は、親しい人との
永別が名残り惜しいのである。しかし心身の苦しみがどんなものかは知らないが、死ねば....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、心のうちで、 「もう、どんなことをしたって、阿波へなんぞ戻りはしない」 と、
永別を告げてきたお米は、そこに、少しも変りなく賑わっている大阪の町を眺めて、なん....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
慕の一年が流れ、十七年五月に、忠利は参覲の期終って熊本に帰ったが、計らずもこれが
永別となったのである。 忠利は五月十八日江戸を発ったが、その時沢庵は、あたかも....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
。わしはわしで、死の途をとる。其方どもも、各※、わしの前へ来て名を名乗り、それを
永別として散ろうぞ――」 「はっ……」 しばらく、誰も声を出さなかったが、もう....